新型コロナウイルスの感染が拡大する中、政府の緊急事態宣言の対象地域から外れた京都府の西脇隆俊知事が「宣言地域に準じた対策が必要」として、府民に不要不急の外出を自粛するよう求めたことを受け、宇治市は9日、これに同調することを決めた。10日から図書館、コミセン、公民館、集会所などの休止を決めたほか、13日からは植物公園、西宇治運動公園グラウンド、テニスコートなど屋外施設も初めて休止。期間は来月10日までで、行政機能を有する施設、市斎場などを除き、全て閉鎖して人と人が接触する機会を徹底的に排除する。
政府は7日、大阪府、兵庫県など全国7都府県に新型コロナウイルス感染症の緊急事態宣言を発令。京都府も対象地域として検討されたが、最終的には外れた。
しかし、西脇府知事は8日に「宣言地域に準じた対策が必要」として、通勤や通院、食料の買い出しなど生活の維持に必要な場合を除く不要不急の外出を自粛するよう要請。10人以上が集まる集会・イベントへの参加を避けることを求めた。
宇治市は9日に対策本部(本部長=山本正市長)の会合を開き、府知事の姿勢に同調することを確認。山本市長名で「不要不急の外出自粛を」との市民向けの緊急メッセージを出した。
具体策として、屋内・屋外を問わず、市役所、行政サービスコーナー、斎場や各種相談事業を実施している施設を除き全ての公共施設を閉鎖する。期間は原則として「4月10日~5月10日(日)」。周知期間が必要な黄檗・西宇治両公園の屋外施設、東山テニスコート、植物公園、巨椋ふれあい運動ひろばは13日(月)から使用を中止する。
図書館3館(中央、東宇治、西宇治)は今月1日に再開したばかりだが、再び休館。予約図書の貸し出しサービス、公共施設等に配送する配本サービスは実施する。
新たに集会所、コミセン(西小倉、東宇治、南宇治、槇島)、公民館(中央、広野、木幡、小倉)、ふれあいセンター(菟道、平盛)、文化会館、産業会館、男女共同参画支援センター、観光センター、源氏物語ミュージアム、生涯学習センター、歴史資料館なども使用禁止に。今週に入り、利用自粛を求めても依然として「大丈夫」と聞き入れない利用者も一部にあり、利用させないため、強硬措置に出る。
さらに、屋外施設も新たに閉鎖する。西宇治公園のグラウンドや遊具、各テニスコート、黄檗ふれあい公園、天ケ瀬森林公園などが対象。野外活動センター「アクトパル」も全て使用を禁止する。
ただ、小・中学校の一斉休校の対応として、児童・生徒向けには週1日の登校日に学校の図書室を開き、図書を借りてもらう方向で各校と調整。学校グラウンドも開放し、子供たちの体を動かしたい、という欲求に応える。
このほか、来月10日までの市主催イベント・行事を全て中止・延期。市民総合体育大会の開会式(5月10日)も取りやめる。