『文化の殿堂』との固いイメージを払拭し、気軽にお茶でも味わいながら和やかな時間を楽しんで…。開館25周年の節目を迎える文化パルク城陽で1日、憩いの空間「PARC CAFE(パルクカフェ)」がオープンした。指定管理者の公益財団法人城陽市民余暇活動センター(安藤洋二理事長)は、エントランスや市民プラザ、屋外に机、いすを常設。家族や友人らと歓談や読書を楽しみながら、ゆっくりとくつろげる空間づくりを行った。フリーWi‐Fiも新設し、市民サービスも向上。ただ、駐車料金の無料枠は『1時間以内』に短縮され、初日から頻繁に車を出入りさせるシーンも見られた。
今年11月で、開館から四半世紀の節目を迎える文パルだが、来館者数は2012(平成24)年度の府南部豪雨被害で大きく落ち込み、今年度も新型コロナウイルスの影響で利用自粛ムードが色濃くなるなど厳しい状況が続いている。
そこで、余暇活は「年間100万人回復」を目指し、今月から駐車無料時間を「1時間まで」に短縮する一方、サービスの充実を図ることとし、指定管理者は館内外一帯をくつろぎの場とする「PARC CAFE(パルクカフェ)」の運営に乗り出すことを決めた。
具体的には、地階の市民プラザのソファーを撤去し、玄関付近のエントランスと合わせた計1000平方㍍に、机といすのセットを配置。
特に市民プラザでは、LED照明の点灯数を増やし、薄暗かった雰囲気を一新。机と40脚のいすを置き、そこで家族、友人らでお茶や歓談を楽しんでもらい、時には読書や勉学にも励んでもらうスペースを設けることにした。
プレイルーム前には、カップ式とボトルタイプの自動販売機を設置し、その中の1機の上部にフリーWi‐Fiのルーターを取り付ける。また、総合受付前にある自販機の上にも同様の機器を新設することで、エントランスと市民プラザ全体でWi‐Fiが使えるようにする。
ただし、1人が長時間アクセスすることを防ぐため一旦、パルクカフェ・フリーWi‐Fiを選択し、手順に沿ってパスワード「bunkaparc」を入力すると、つながるが、1回30分以内の時間制限を設けている。
机といすのセットは、従来からあったエントランス分を合わせると、常時50人ほどが座れ、文パル玄関前の屋外(木陰)にもテーブルと長いすなどを配置した。
1日は午前10時に奥田敏晴市長や北澤義之教育長らが「PARC CAFE」の様子を視察。安藤理事長とともに、明るさが増した市民プラザ内で、ふた付きカップのコーヒーを味わい、一角に設置した「キッズコーナー」を訪れた幼児を連れたお母さんとも意見交換するなど「PARC CAFE」の雰囲気を聞いた。
さらに、奥田市長ら3人は、ふた付きペットボトル等なら飲料水の持ち込み可能となった市立図書館(奥田雄二館長)にも足を運び、南側の窓から掛けられたばかりの近鉄京都線をまたぐ新名神高架橋を眺めながら「まちの様子も変わるので、文パルも転換期」と、さらなる改革に期待を込めた。
なお、この日から南、東側と臨時で使用する構内を合わせて計328台分ある駐車場料金の無料枠を『1時間以内』に短縮。これにより、市は年間1000万円(初年度は800万円)の増収を見込み、文パルの充実策に活用する考え。だが、初日から利用者による車の駐車場入れ替えシーンが見受けられた。無料時間内での車の出し入れは、これまでも時々あったが、1時間ごとになると頻繁になるため、混雑時の事故対策が求められる。