笑顔でもてなし10周年/宇治支援学校 カフェ「JOY」
来店した教職員の注文を聞いたり、飲み物を渡したりする生徒

府立宇治支援学校(細矢義伸校長)=宇治市広野町=が生徒の実習の場として開校初年度から営業している喫茶店「カフェJOY」が、10周年を迎えた。新型コロナウイルスの影響で対外的に休業する中、スタッフの生徒たちは〝来店客〟の教職員を笑顔でもてなし、より良い店づくりに磨きをかけている。
同校は2011年4月に開校した。知的障害や肢体障害を持つ宇治・城陽地域の小学~高等部の児童生徒が通学する。

実習で収穫した野菜をJOYに納品する高等部2年生たち

カフェJOYは、同年9月に校内1階の地域交流室に開設された。府内の公立小中学校初の実習用カフェ。地域との交流や体験を通した生徒の「自立」と「社会参加」を目指す。高等部くらし職業コースの生徒が店員を務める。
生徒たちは1~3年で段階的に仕事の手順を学び、厨房での作業から接客、会計まで行う。1年生は3学期に店舗デビュー。2年生は月・火曜日、3年生は金曜日を担当する。
コーヒー、紅茶、ジュースはいずれも100円。マドレーヌとのセットは250円。当初ブレンドのみだったコーヒーはモカ、オリジナルが加わり3種に。店内では、高等部の生徒が作業学習で手掛けたマグカップや皿、実習で収穫した野菜なども販売している。

店内には手作りのマグカップや皿も勢揃い

コロナ禍の中、生徒たちは感染症対策を考えたり、休校時には教員が作成した動画で接客の学習を深めたりしてきた。担当する阪田裕美教諭は「お客さんの気持ちを考えて動き、イレギュラーな動きに対応できるよう指導している」と話す。
高等部3年の澤友里江さんは「お客様を待たせないよう意識し、周りを見て動くようにしています。明るい雰囲気で、気持ち良く、心地良いカフェにしたい」と瞳を輝かせる。