調査で知る古代の姿/城陽で文化財講座

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文化パルク城陽西館3階の寺田コミセンで29日、「城陽の古代史新発見」と題した文化財講座が開かれた。約20人の参加者が講師の話に耳を傾けた。
市歴史民俗資料館と同館友の会が共催し、市民向けに開いた講座。この日は、府埋蔵文化財調査研究センター職員の小泉裕司さんが講師となり、城陽エリア一帯の発掘調査の成果について解説した。
冒頭で、小泉さんは昨年10月に現地説明会で発表した水主(みずし)神社東の「木組み遺構」を取り上げた。周辺が現在でも河川流域の低湿地に位置することから、縄文人による水辺利用のための施設とみられていた。
その後の調査を担当した小泉さんは「木組みには、隙間が作られていることが分かった。きれいな水を入手するため、湧き水を浄化する役割があったのでは」「そばにあった多数の石は、水流を抑えるため…とは思えない。設備を使い終えた時に、感謝を捧げる意味で目印としたのでは」と見解を示した。
このほか、同遺構の西側にある小樋尻遺跡では、生活用水に使われたとされる溝の跡が複数見つかっているが、検証の結果、縄文~古墳~奈良時代と時期が分かれていることから「時代を空けて、同じ地域に人が住み続けていることが分かり、興味深い」と話した。

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