非共産系の受け皿『活力京都宇治の会』(山仲修矢会長)、宇治市議で構成する『活力ある宇治をつくる議員連盟』(松峯茂会長)から市長選(11月29日告示・12月6日投開票)への立候補要請を受けていた前京都府健康福祉部長の松村淳子氏(まつむら・あつこ、62歳)は4日、無所属で立候補することを表明した。自民、公明、立憲民主、国民民主など共産を除く政党等に推薦を要請する方針。当選すれば、市政初の女性市長となる。
会見で、山仲会長は「初の女性。宇治が新しくなろうとしていることを感じる。宇治が府南部の中心になれるよう、応援していく」と挨拶。松峯会長は「議連には(市議会28人中)20人が賛同した。松村さんに一生懸命働いてもらえるよう全力で頑張る」と決意を述べた。
松村氏は「立候補要請を受け、何ができるか、何がしたいのか、何をやっていくべきか、考え、立候補の決意を固めた。2025年には団塊の世代が、後期高齢者になり、人口も減っていく。何もしないと活気がなくなっていく。京都、山城の地が大好き。自分がやりたいまちづくりを宇治でやろうと思った」と表明した。
木津町(現・木津川市)出身。京都府立医科大学を卒業後、小児科医として10年働いた後「病気を治すよりも人の健康をつくる仕組みをつくりたい」と思い、1994年に府に入庁。宇治保健所(現・山城北保健所)が初任地で家庭支援総合センター所長、こども政策監、こども・少子化対策監、健康福祉部長などを歴任した。
詳細な公約は今後、市議らと意見交換する中で固めていく予定だが、キーワードとして『安心』、『躍動』、『再スタート』の3点を列挙。疲弊した経済を含む新型コロナウイルスの対策、防災対策を〝安心〟に挙げた。交通網等の整備など〝躍動〟感あるまちづくりを強調。〝再スタート〟は「宇治は一人ひとりが活躍されているのに発信されていない」と発信力強化を掲げた。
まちづくりには、産業振興が重要な鍵を握っているが、松村氏は「私自身にノウハウはないが、府には仲間がいる。西脇隆俊知事からも『できるバックアップは全てする』と言ってもらえた。国、府、近隣市町村と連携して、山城でリーダーシップがとれる宇治市にする」と意気込んだ。
現在の山本市政に関して、松村氏は「認知症対策は、ずば抜けて進んでいる。いいところは引き継ぎ、伸ばす。課題があるところは補い、新たにつくりあげたい」と述べた。
また、府コロナ対策の職を辞した点について、松村氏は「インフルエンザの流行に備え、10月末までに色々な体制をつくった。第3波に対する医療体制、感染予防対策についての基礎はつくり上げてきた」と説明した。
現在は京都市北区在住だが、宇治市内への移住を決意。市長選までに引っ越す。
なお、市長選を巡っては共産など革新系も候補者を選考。別に五ケ庄在住の男性(55)が立候補を検討している。