三十一文字で事故防止/うじ交通安全短歌かるた
かるたを手に取る久御山町社協の岡西会長(右)と宇治署の西村交通課長

「密ですよ・車間距離は・的確に・みんなで守ろう・カーディスタンス」。宇治署と宇治交通安全協会は、独自に取り組んだ交通安全短歌コンクールの優秀作品を活用し、オリジナルかるたを作製した。遊び心を盛り込みつつ、三十一文字で事故防止へ注意点を印象付け、高齢者への交通安全活動の教材として活用を図る。

取り札の交通安全のアドバイスを読む高齢者

事故防止に向けて、同署交通課が「源氏物語の舞台になっている宇治らしい取り組みを」との思いで発案し、標語ではなく短歌(五・七・五・七・七)を募集した。府内から277点が寄せられ、選考で決定した優秀作品20点を親しみ深いかるたにした。
「うじ交通安全短歌かるた」は読み札・取り札各20枚で1セット。
下の句が書かれた取り札の裏面には、交通安全のワンポイントアドバイスを記載。最優秀作品に選ばれた宇治市の会社員、井上さやかさんの「密ですよ―」では「車を運転するときは、車間距離を十分にとり、追突事故を防ぎましょう」と戒めた。このほかの作品では「道路を横断するときは、必ず一度止まって安全確認をしましょう」「運転免許の自主返納制度をご存じですか?自分自身の運転を過信せず、少しでも不安を感じたら相談を」などと注意を促した。

短歌コンの優秀作品があしらわれたかるた

かるたは7セット作製。11日、管内の宇治市・久御山町両社会福祉協議会に3セットずつ贈った。久御山町社協は、町地域福祉センターで、岡西義久会長が同署交通課の西村智課長から受け取った。
早速、デイサービス「さつき苑」の利用者がかるたに挑戦。高齢者らは署員が読み上げる声に耳を澄ませて札を取り、ワンポイントアドバイスを読んでいった。中田千代子さん(78)は「一生懸命になって、楽しんで覚えられる。またやりたい」と声を弾ませた。
府内の今年の交通事故死者45人(10日現在)のうち高齢者は21人(46・7%)。同署は幅広くかるたを使ってもらおうと貸し出し用に1セット保管しており、「周りの人にも(交通安全の)アドバイスを広げていってほしい」(交通課)と呼び掛けている。