学びの保障と充実に向けて/京田辺「GIGAスクール構想」

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児童生徒1人1台の端末と高速大容量通信ネットワークの整備を一体で進める「GIGAスクール構想」の一環となるタブレット端末の活用が京田辺市立培良中学校で始まった。市立校の中で先行導入された同校の生徒たちは自分専用のパスコードを早速、設定。タブレットを初めて触った生徒も新たな刺激を受け、使用上のルールの説明を受けたあと早速、図形を描くなど学習に生かした。
京田辺市でもGIGAスクール構想(2018~22年度の5カ年計画)の実現に合わせて、児童生徒の学習活動のさらなる充実を目指す。ICT機器を活用し、これからの時代を生きる力を育み、コロナ禍で問われる児童生徒の学びの保障と充実に向けた取り組みを進める。
今後、市立小(9校)・中学校(3校)では、児童生徒の一人ひとりがタブレット端末を使用。中学校(1月)、小学校(2月・薪小から)で順次、導入し、今年度中に全児童生徒分の6900台を手元まで届ける。
他校に先駆け、培良中学校では3学期はじめからタブレット端末の利用が始まり、アカウントを与えられた生徒はiPadのパスコードを打ち込み、自分専用端末の環境を設定した。

タブレット画面に図形を描き込んでいく生徒

山岡弘高教育長が視察に訪れる中、1年2組(29人)は22日6限の数学で端末を実用。生徒たちは立体を描き出し、内蔵カメラで撮影するとそれを送信。教室前方のモニターに全員の描いた図形がまとめて映し出され、教諭が自在にピックアップして大きく見せるなど効果的に授業を進めた。
ほかにも、これまでプリントを配布した資料も画面上で瞬時に行き渡らせ、出題と回答を送受信。すべての回答状況を先生が目にできる利点なども確認された。
生徒たちは「ノートに書くよりも楽しい」「タブレットはすぐに送信できる。問題が解けたら手を挙げて紙を提出していたがすぐに送れる」「プリントを配る手間は省けて楽。また、分からないことも授業のあとにネットで調べられて理解を深められる」など手応え上々という様子だった。
山下博史校長は「データが残るから成績も付けやすい。過去の授業でどんなことをやっていたかが分かり、授業の質も上がっていくのでは」と期待を寄せる。
コロナ禍、昨春は一斉休校も経験。市は、児童生徒が新時代を生きる力を育むICT教育を進め、感染症拡大や災害も念頭に置いた児童生徒の学びの保障、充実を目指す。
児童生徒は小・中学校でそれぞれ同一機種を学年持ち上がりで使用。各教室に無線LANと電源も配置し、学習支援アプリも用いた授業を進めていく。

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