世界各地で猛威を振るい、人々の生活を一変させた新型コロナウイルス。地元(3市3町=宇治、城陽、京田辺、久御山、宇治田原、井手)では昨年3月27日に初めての感染者が確認され、10カ月余りを経て、累計の感染者が1000人に達した。新規感染者は減少傾向にあるが、緊急事態宣言の発出を踏まえた一人ひとりの行動のおかげ。慢心せず、引き続き感染しない・させない取り組みを徹底することが、コロナに打ち勝つことにつながる。
地元では3日、累計の感染者が1000人と4桁に到達。4日時点の集計で、内訳は▽宇治市560人▽城陽市157人▽京田辺市213人▽久御山町29人▽宇治田原町10人▽井手町35人となった。
発生確率は、昨年春にクラスター(感染者集団)が発生した井手町が最も高いが、それを除けば宇治市と京田辺市が高い状況。いずれも大阪への通勤圏にあり、少なからず影響しているようだ。
昨年11月に始まった〝第3波〟が全体の7割以上。今月に入って減少傾向にあるが、年末年始のあった12月、1月の脅威的なペースが、それより前の水準に戻っただけで、依然として油断できない。

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本紙に寄せられるご意見の中に「なぜ洛タイ新報さんと宇治市など各自治体が発表するコロナ感染者数が違うのですか」というものがある。
地元3市3町では3日現在、本紙集計で1002人となったが、各自治体の発表数の合計は988人。結論から申し上げると、本紙集計の方が、より実態に近い人数となる。
例えば、宇治市に住む40代夫婦・子供2人の4人家族の場合。父親が大阪府内の勤務先でPCR検査を受けて「陽性」となれば、大阪府が感染者として発表する。大阪の保健所からの連絡を受け、地元の山城北保健所は濃厚接触者である家族3人のPCR検査を実施。3人とも「陽性」となり、京都府として3人の新規感染者を発表している。
宇治市の発表は現在、京都府内の発表分を積み上げた数字。父親は市民であるにも関わらず、大阪府の発表に含まれているため、市発表分ではカウントされない。一家4人が感染していても、市として発表するのは3人のみ。本紙集計は、この父親を含めているため、市発表分とは数字にズレが生じることになる。
別のケースでは、独自にPCR検査を受けようと、東京都内の検査機関に、自身の唾液を送った場合、陽性となれば都が感染者として発表。先の事例と同じく、都の保健所から連絡を受け、山城北保健所が疫学調査を実施し、検査で「陽性」となれば感染者として京都府が発表する流れとなる。
一方、本紙集計でも実態とかい離している可能性がある。2つの事例とも、宇治市内に濃厚接触者がおり、その人が検査で「陽性」となったから山城北保健所を通じて本紙が把握できているが、仮に「濃厚接触者なし」や「感染者なし」の場合、把握は困難。よって、実際の感染者は、本紙集計分よりも増える可能性がある。