先月31日に投開票された宇治田原町長選挙で再選を果たした第18代町長・西谷信夫氏(61)の3期目「初登庁式」が9日午前9時から、役場新庁舎の玄関前で行われ、支持者らの大きな拍手に迎えられた。選対本部長も務めた下岡久五郎氏と役場職員から花束を受け取った西谷町長は「この2期8年間で下地を作ってきた。これから芽がグッと伸びて、花が咲いて、実がなる。これからの4年間で、飛躍的に発展する宇治田原に仕上げる」と力を込めた。
初登庁式では、まず職員を代表して山下康之副町長が歓迎の言葉。
「このたびの選挙では、町政の現在(いま)を、しっかりと見つめながら、宇治田原の発展に向けた最重要課題を掲げられ、多くの支持を得られました」とした上で「昨年の職員不祥事(官製談合収賄)で大きく損なわれた信頼の回復に全力で取り組む強い決意を示されたことは、私たち職員が肝に銘じることであり、一人ひとりが初心に立ちかえり、綱紀保持と服務規律の遵守を徹底し、精進を重ねてまいります」と述べた。
また、公務出張中の谷口整・町議会議長からの祝辞を代読した浅田晃弘副議長も「早々に第三者委員会を立ち上げ、事件の原因究明と再発防止策の実行により、信頼回復に努めていただきたい」とし、「総合計画の総仕上げとして『人がつながる・未来につながる・お茶のふるさと・宇治田原』の実現に向け、がんばっていただきたい」と激励。
これを受けて挨拶に立った西谷町長も「選挙戦を通じ、たくさんのお叱りと町政への意見を頂戴しました。管理監督する私自身の責任を改めて痛感するとともに、この事件で傷ついた信頼を何としても取り戻すという、私に課せられた責任を全うすることから3期目はスタートします」と声を大にした。
そして、選挙で最もアピールした『道路ネットワークの整備』については「新名神高速道路・宇治田原インターチェンジへのアクセス道路となる山手線の完成は、関西経済圏への連結を強固にし、本町のポテンシャルを飛躍的に向上させる。お茶のふるさとが賑わいと活力あふれる町として輝き続けるためにも、この山手線を誘導軸とした新市街地の形成に全力を傾注します」と訴えた。
また、コロナ対策に関しては「政府の交付金等を有効活用し、宇治田原ならではの地域力も生かした施策にスピード感を持って取り組みたい」と述べ、財政面については「優先順位を的確に見極めた事業の取捨選択により、将来を見据えた基盤を構築したい」と理解と協力を求めた町長。
最後は常に発する『百万一心』という言葉を掲げ、「皆で力を合わせれば何事も成し遂げられる。役場の職員だけでなく、住民の皆様、京都府、国が一体となって、この町を、この故郷を、お茶のまち宇治田原を、さらに発展させ、私たちの孫の時代に『素晴らしいまちになったなあ』と言ってもらえるようにするのが私の責務である」と表情を引き締め、「30年先、50年先、この町に住んでくれる人のために粉骨砕身、取り組んでまいります」と締めた。
このあと、西谷町長は早速、所属長会議を招集。その後は京都府自治会館に出向き、府町村会の会議にも臨むなど、初日から精力的に動いた。