大蛇に見立てた巨大しめ縄を集落入口に奉納し、災いや病魔が入らないように―と願う、宇治田原町立川糠塚地区の神縄座(かんじょうざ)が11日、古式ゆかしく執り行われた。
300年以上続けられている伝統行事で、人生の務めを立派に果たしてきた村の長老が順次、御林山に鎮座する熊倉神社の宮守となり、1年間の祭事を司る。
今年は、垣内弥寿孝さん(77)が当屋を務め、愛茗会館には同神社奉賛会(亀井利幸会長)のメンバーら約80人が集まった。
神縄座は、町内の荒木・禅定寺・岩山・糠塚・南(老中)の5地区に残るが、その中でも糠塚地区は最大。しめ縄は直径約30㌢、長さ8・5㍍で、推定重量は400㌔といわれる。
朝早くから集まった住民らは、12本1組のワラ束を編み、作り上げた3本の大縄をねじって巨大なしめ縄に仕上げ、樒(シキビ)や縄で飾り付けた。
このあと、地元にある浄土寺の住職がお正念入れの法要を執り行い、夕暮れ時には男衆たちが担いで約400㍍西北の集落の入口とされる神縄の杜(もり)まで運び、樹に蜷局(とぐろ)を巻くようにした。
垣内さんは「暖かい日でよかった。コロナ退散を願います」と声を強めた。