市民と学生、行政で作る「京田辺市プロモーション動画」が完成し、26日に市公式YouTubeチャンネルで視聴可能になった。若い世代に利用者が多いSNSの一つTikTokでフォロワー20万人という影響力を持ったインフルエンサーの泉ひかりさん(2019年ワールドカップ女王)が主演を務め、自らも発信することで世間での京田辺の露出を最大限に増やすことを狙う。
今年度当初予算に盛り込んだプロモーション動画作成(500万円)は今年度から12年間の基本構想とまちづくりプランといった第4次京田辺市総合計画にある将来像を分かりやすく伝え、郷土愛や定住志向を高めるもので、学生と市民、行政が一体となって制作を進めた。
この日、市公式YouTubeチャンネルで公開。6分8秒にわたる本編がインターネットを通して世界中のあらゆる世代の誰でもが視聴できるのをはじめ、3月中は近鉄京都・西大寺・難波駅構内のデジタルサイネージでダイジェスト版(15秒)を放映する。
ダイナミックでスピード感のあるニュースポーツ「パルクール」を全面に、女子大生が高校時代から交際を始めた彼のプロポーズを受け入れて結婚、やがて子を授かり育てるというストーリー。主人公と同様の視界が広がるアクションカメラGoPro(ゴープロ)の映像も駆使しリアルさを追求し、ドローンを使った上空からの映像で街並みを色鮮やかに映し出す。
昨年9月、市と連携協定を結ぶ同志社・同志社女子大と田辺高校の学生・生徒30人が参加したワークショップを開催。様々な意見が出され、プロポーズや親子3人でくつろぎボールを追い掛けるシーンのほか、甘南備山にちなんだ主人公な名前「かんな」、タイトルにもアイデアを採用した。
10月には、学生を含む市民エキストラ27人が市内6カ所での撮影に出演し、躍動感あふれる演技に触れ、共に作り上げる手応えをつかんだ。
企画を担当した市秘書広報課の古野祐介係長は「ターゲットは、これから定住してほしい若者たち。居住、通学する学生や生徒の意見を取り入れ、市民もエキストラ参加。協働で作り上げた。人生をかけるまちというタイトルも学生のアイデア」と説明する。
この日朝、全国大学まちづくり政策フォーラムで動画を紹介した上村崇市長は「市民やわがまちの意識(シビック・プライド)を育むもの。パルクールの洗練と対置できるような面白くて笑えるB面制作に取り組んでほしい」と呼び掛ける。古野係長は「インフルエンサーの投稿からテレビやネットでの拡散を狙い、視聴数10万超えを目指す」と意気込む。