コロナ社会の支援模索/山城地域労働経済活力会議

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行政や商工団体などの関係者が雇用情勢などを話し合う山城地域労働経済活力会議(事務局=府山城広域振興局)が12日、オンラインで開かれた。コロナ禍の影響を受ける雇用や労働環境の現状と支援策について意見交換し、「ウィズコロナ」「ポストコロナ」社会の働き方の推進や生産性向上などを模索した。
公共職業安定所(ハローワーク)の今年1月の有効求人倍率は、宇治管内(宇治市、城陽市、久御山町、宇治田原町)が1・56倍(前年同月比0・65ポイント減)、京都田辺管内(京田辺市、井手町など)が0・86倍(同0・32ポイント減)。府内の他のハローワーク管内でも全て落ち込んだ。
新型コロナ感染防止のため初のオンラインとなった会議では、府山城広域振興局と管内の商工会議所や商工会、行政を結んだ。
連合京都南山城地域協議会の山田良尚議長は、雇用維持の支援や雇用調整助成金の柔軟な延長、新型コロナ感染拡大防止の強化、テレワーク導入の支援などを求め、「社会福祉の充実が労働力確保に重要」と提言した。
宇治商工会議所の中川晴雄副会頭は「求職者と企業で人材のマッチングの隔たりがあり、今後の雇用支援に検討が必要」などと指摘。城陽商工会議所の岩見悦明副会頭は「労働者人口が減っていると感じる。高齢者が働くことができたり、女性がもっと活躍できたりする場を作る必要がある」などと呼び掛けた。
京田辺市商工会の谷村六夫事務局長は、中小企業ではテレワークが浸透する環境が難しい現状を説明。久御山町商工会の西村好会長は「年明けから仕事が増えてきたが、零細企業は厳しい」と話し、公的助成が欠かせない状況を報告した。宇治田原町商工会の森田市治会長は「ハード・ソフトの支援が必要」などと述べた。
会議では、今後の取り組みの方向性として京都労働経済活力会議が掲げた▼オンラインを活用した働き方の推進と労働生産性の向上▼誰もが働きやすい魅力ある職場づくりなど企業の環境整備や多様で柔軟な働き方の推進―などを確認した。川口龍雄府山城広域振興局長は「山城地域の経済活動の回復、雇用労働環境の改善に取り組みたい」と話した。

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