市内産業活性へ「D‐fab」誕生/京田辺
MOPAレーザー加工機を用いて名刺が瞬く間にできあがる

22日(月)にオープンする京田辺ものづくり工房「D‐fab」の内覧会が16日に同志社大学連携型起業家育成施設D‐egg=京田辺市興戸地蔵谷=で開かれ、地元産業の活性化へ新たな息吹を吹き込んだ。「けいはんな」から一部を引き継ぎ、最新機器が充実。モノづくり企業の連携や新製品開発に期待が寄せられる。
全国に広がるFabスペースでは、技術者や企業のコミュニティ形成、新製品や技術の開発に資する3Dプリンターなどのものづくり設備を共同利用する。コンピュータとつながった工作機械で素材を成形する技術「デジタルファブリケーション」に熱い注目が集まっている。
京田辺市と市商工会、同大、関西学術研究都市推進機構、中小機構近畿本部などの関係者約30人が集まった内覧会では、はじめに上村崇市長が挨拶に立ち、「ものづくりのベースとなる。地域への波及効果は大きい。多くの人に愛される施設に」と期待の言葉を寄せた。
市産業振興課の八木義範係長が各地の先進事例を紹介し、「実用的なもの、そうでないものもある。よい技術を身近なところで活用いただき新たなものを作り出して」とアピール。MOPAレーザー加工機・UVプリンター・3Dプリンター・5軸CNCフライス・手動射出成型機・CO2レーザー加工機といった6つの設備が並ぶ1室に足を運んだ。

レーザーでデータをサッと焼き上げたアルミの名刺に一同が感嘆の声を上げた

D‐eggの入居事業者や、けいはんなFabスペースから引き継いだもの、新たに導入されたものも含め、事業の高度化、創業支援、新産業創出などにひと役買う機器を見渡した参加者たちは、けいはんなからも加わったスタッフたちの手ほどきを受け、レーザーを使った金色アルミがベースの名刺づくりを体験。上村市長も、あっという間にレーザー焼成された名刺を手に笑顔を弾ませた。
市は今年度当初予算にFabスペース設置事業として300万円を計上。市商工会と共に中小企業売り込み隊事業として、積極活用へ支援を進めている。市は「市内事業者から、こういう場が欲しい、との声も多かった。新たな事業連携を生むのも大きな目的」と狙いに触れる。
利用者共有スペースD‐fabは会員制。入会は原則無料。施設利用料は当面の間無料で、材料費などは実費負担。平日の午前9時~午後5時。Degg204号室。問い合わせは市産業振興課℡64‐1364まで。