府立莵道高校(篁嘉朗校長)で12日、書道部(清水茜里部長、11人)が校庭で書道パフォーマンスを披露した。今回初めてBGMの演奏を吹奏楽部が担当。迫力ある生演奏をバックに大作が仕上がった。
書道パフォーマンスは、手拍子やダンスをしながら、6㍍×4㍍四方の巨大な紙に書道を行う競技。同部は7年前、府内で初めて全国選手権に出場するなど、屈指の実力を誇る。
昨年はコロナ禍で活動機会がほとんどなく、2年ぶりの披露にあたって同校の吹奏楽部が生演奏によるBGMを担当。新入生への活動紹介を兼ね、同校初、フルバンドでの演技が実現することになった。
この日の昼休み、中庭でパフォーマンスが始まった。開始直前の強風でシートが風にあおられていたが、整列と紹介が終わると風は止んだ。「オペラ座の怪人」のメロディーがゆっくりと流れた。
部員たちは交代で紙の上を裸足で動き回り「強い信念で」「熱き鼓動よ跳ね上がれ」などの言葉を書き込んだ。腰を落として一心不乱に筆を進める様子を、生徒や教職員らが静かに見守っていた。
曲がクライマックスに差し掛かると、大筆を持った部員がピンクの墨汁で「禍與福隣(災いと幸いは隣り合わせ…の意)」と力強く書き上げた。両部員の見事なコラボに魅了され、会場から大きな拍手が送られた。
顧問の福田茂樹教諭らは「初めてで、ピリピリした雰囲気になるかも…と思っていたが、楽しそうに取り組んでいた。フルバンド演奏で行うのは国内でも初めてだと思う」「息が合ったパフォーマンスだった」と大喜びだった。
なお、司会を担当した同校の放送部は、練習風景も含めたドキュメンタリー映像を制作し、夏に開催されるNHK杯全国高校放送コンテストへ応募する予定だという。