田辺署で13日、特殊詐欺の被害を未然防止したファミリーマート京田辺大住店=薪畠=と同店マネジャーの増田香奈さんに感謝状が贈られた。
4月25日午前11時30分ごろ、同店を訪れた70代男性がレジで6万円分の電子マネー購入を店員に持ち掛けた。別のお客さんに対応していた増田さんはやり取りを耳にすると同時に不審なものを感じ、男性と向き合い思い止まるよう説得した。その後、同署まで連絡し、署員に対応をつないだ。
同署管内の京田辺市と井手町では当時、電子マネーを購入させるパターンの特殊詐欺事案が連続して発生。合計20万円を超える被害が確認されていた。
いずれも男性がターゲットとなり、アダルトサイトなどパソコン上で誘導していくもの。「(インターネット)ウイルスに感染した」などと画面上で警告があり、「この番号に電話を」と指示が出て、被害者は通話相手に電子マネー購入を迫られていた。
この日、同店をはじめ市内でコンビニ数店を経営する小川明人・綴喜コンビニ防犯・防災対策協議会会長に特殊詐欺総合対策統括官感謝状を、増田さんに署長感謝状を手渡した洞修司署長は「高齢者の電子マネー購入は詐欺の典型。引き続きよろしくお願いします」と期待を寄せ、増田さんは「声掛けを欠かさないよう気を付けている」とさらに気を引き締めた。
■阻止率優秀! 協議会も強く
綴喜コンビニ防犯・防災対策協議会は今年3月、京田辺市と井手町・宇治田原町の同署管内にあるコンビニ全27店舗の加盟を遂に達成。フランチャイズの相違にかかわらず防犯体制でがっちりとスクラムを組んだ。
同協議会相談役で地元選出の古林良崇府議が府警本部から取り寄せたデータによると、「コンビニによる水際阻止」件数で同署が府警25署平均を大きく上回る。▽2019年=2件(1・53件)▽20年=6件(3・54件)▽21年(3月まで)=2件(0・58件)となっている(カッコ内は府警25署平均)。
小川会長は「協議会を構成するオーナーらも励みになる。京田辺は人口も増え、今後は高齢化が進む。一層注意しなければ」と強調する。
各店舗に貼り出す「オーナー小川より殿方諸先輩方へカード購入に関するご注意」は、「経験者は語る」と述べ、「何気なく」「タップ」「クリック」「しちゃった」「後ろめたさを感じちゃダメ」などと自身の失敗も包み隠さず明らかにしたやさしさにあふれた警告だ。「パソコンを操作していると出てくる画面。支払ったらダメ!!」と男性諸氏にアドバイスを怠らない。「店舗スタッフに相談を」と添えている。