古川改修、工事急ピッチ/城陽市寺田

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2012(平成24)年8月の京都府南部豪雨により近鉄線を挟んだ寺田地域で500戸を超える床上・床下浸水が発生したことを受け、京都府は14(同26)年度から国道24号交差部から上流約900㍍で古川の「床上浸水対策特別緊急事業」を実施している。府は「来年の出水期(6月)までの概成」を目標に定め、古川に並行して走る府道内里城陽線の歩道を河川側に張り出したり、8本の橋梁(私橋も含む)架け替えなど急ピッチで工事を進めている。
府南部豪雨(時間雨量73・5㍉)に匹敵する「10年に1度の豪雨(同50㍉)」の雨が降っても寺田地域の床上浸水がなくなり、床下浸水被害も軽減されるという今回の古川・緊急事業では、国道24号交差部から今池川合流点までの川幅を約8㍍から「20㍍」に広げ、流下能力を約3倍(毎秒90㌧)に向上させる計画。
今池川合流点から上流部でも流下能力は従来の毎秒16㌧から「30㌧」に高め、付近住民の安全性が向上する。

コンクリートボックスを取り壊し橋台、護岸工事に着手(府道内里城陽線と市道5号線交差部)

府は当初、2019年度末の完成を目指していたが、古川沿いの府道内里城陽線の地下には、上下水道管やガス管が埋設されており、その移設や川幅拡大により、8つもの橋梁を順次、架け替える難工事がネックとなり、2年余り遅れて「来年6月ごろの概成」を目標に現在、工事が進められている。
一日約4400台の通行量がある府道内里城陽線は、市内の東西重要幹線道路の一つ。都市計画道路・塚本深谷線の開通でやや通行量は緩和されつつあるが、それでも通過車両に支障がないよう起終点に警備員配置して現在、府道の2カ所で片側通行規制を行い、河川改修と合わせて、府道拡幅工事も進行中だ。
この工事が完成すると、府道内里城陽線は2車線道路となり、古川側に幅2㍍以上ある歩道が整備される。
そのほか、工事区域内の古川に架かる「佐伯古川橋」「古川橋」が9月末まで通行止め、市道5号線も府道内里城陽線との3差路で来年6月まで通行止め規制が敷かれており、府では、広報チラシなどで付近住民への周知に努め、工事期間中の協力を求めている。
なお、2012(平成24)年8月の京都府南部豪雨では、寺田地域で床上159戸、床下387戸の計546戸の浸水被害が発生し、市民生活に甚大な影響を及ぼした。

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