北宇治中学校(吉田英司校長)で25日、1年生(5クラス166人)を対象に「命そしてふるさと宇治を守る」と題した防災学習があった。生徒たちは、過去に地元を襲った水害の様子や、避難対応について学んだ。
同校の「宇治学」の学習の一環。槇島東地区防災対策会議で幹事を務める西山正一さんが講師で来校し、昭和28年水害をはじめとする災害の状況を、当時の報道やエピソードと共に伝えた。
初めに、戦後の小倉村を中心とした航空写真を紹介。1933(昭和8)年から約8年かけて巨椋池の干拓事業がなされたこと、現在でも一帯が水田地域になっていることを説明し、住んでいる場所に関する地理や歴史について伝えた。
西山さんは、1953(昭和28)年の宇治川大水害で親戚の家に避難したことや、1959(昭和34)年9月の伊勢湾台風では修学旅行が1カ月延期になったことなど、自身の思い出を交えながら、地元宇治を襲った災害を振り返った。
また、2012(平成24)年8月の豪雨被害の状況を「道が池に、畑はプールになった」と分かりやすい言葉を使って説明。被災の経験が少ない生徒たちのために、実際の水害をイメージしてもらった。
安全な避難のために、今月から施行された最新の情報提供(避難勧告を廃止し「避難指示」に一本化)のほか、公衆電話用に10円玉を準備する、ゴミ袋に穴を開けて即席のレインコートを作る…などの災害対策を示した。
同校では今回の講演を起点として、グループでの防災学習に取り組んでいく。大阪ガス㈱による出前授業や、市危機管理室の協力を得た避難所体験などを予定している。