任天堂㈱(古川俊太郎代表、京都市南区)は2日、宇治小倉工場(宇治市小倉町)の用地に「任天堂資料館(仮称)」を整備することを発表した。この資料館は同社が過去に発売したゲームの本体、ソフトの商品を展示し、体験できる観光施設。完成は2023年度中を予定しており、小倉のまちの新たな観光スポットとして賑わい創出につながることが期待される。
任天堂はホームページなどによると、1889年に創業し、ゲーム専用機のハードウェアやソフトウェアを開発・製造・販売。1983年に家庭用ゲーム機「ファミリーコンピュータ」を発売して以来、現在のスイッチに至るまでマリオなどの数々のヒット商品を世に送り出した。
同社では、ものづくりに対する考えを広く理解してもらうため、過去に発売したゲームの本体、ソフトの商品を展示し、体験できる「任天堂資料館(仮称)」を整備する方針。宇治小倉工場の用地を活用し、2023年度中の完成を目指す。
宇治小倉工場は69年に「宇治工場」として建設され、88年に現・宇治工場(宇治市槙島町)の建設に伴い「宇治小倉工場」に改称。主にトランプ・花札の製造、ゲーム機の修理業務を行ってきたが、16年11月に、それらの業務を宇治工場に移管したため、約1万430平方㍍の用地、建屋(延べ床約5890平方㍍)の利活用策として観光施設を整備することにした。
同社によると、現在の建物を利用することを含めて、詳細を検討中。駐車場の規模も現時点では未定で、最寄りの近鉄小倉駅の利用も想定しているという。
一方、このニュースは、同日に開かれた宇治市が設置する「近鉄小倉駅周辺地区まちづくり検討委員会」の席上で市が紹介。同検討委での議論などを任天堂に紹介し、賑わい創出を求めてきた経過があり、各委員らは活性化につながる任天堂の構想を喜んだ。