宇治黄檗学園宇治小学校(市橋公也校長)で16日、「認知症サポーター養成講座」として、5年生(4クラス133人)向けに福祉授業が開かれた。地域包括支援センターの職員が、脳の病気である認知症について解説した。
このうち5年3組では、包括支援センターの役割について説明があった後、職員の一人が認知症患者に扮して教室のドアから登場。季節外れの厚着で「郵便局はどこ…」と室内をさまよう姿を見て、児童たちの間に一瞬緊張が走った。
「街でこういう人を見かけたらどうしますか」の問い掛けで「声は掛けないが気に掛ける」「声を掛けて一緒に帰る」などの選択肢が上がる中「信頼できる大人に知らせる」を選んだ子が多数を占めた。その他回答で「不審者だったら困る」との意見には「弱々しいおばあちゃんだったら、気には掛けてあげてほしい」と話があった。
続いて、認知症の祖父がいる家族を描いたアニメを視聴。昼食を終えて30分後に「ご飯はまだ?」と聞いてきた祖父に対して、母がとがめることなく「ごめんなさい。すぐに準備しますね」と受け止めるストーリーだった。
このケースでは、認知症は記憶障害の病気であるため「さっき食べたでしょ!」と言っても本人は思い出すことができず、逆に「わざと食べさせないのか」と興奮させてしまうことがある…と説明があった。
職員は「普通の病気と同じで、周囲の環境や心の状態で起こること(症状)もある。手助けしたり声を掛けたり…周りの応援や理解があれば、認知症の人が歩む道は変わってきます」と話していた。