宇治市の松村淳子市長は1日、友好都市カナダ・カムループス市のケン・クリスチャン市長と初のオンライン会談を開いた。新型コロナウイルスの影響で、2019年を最後に相互訪問がストップ。昨年には友好都市盟約締結30周年の節目を通過しており、両市長は来年度、両市の交流を再開させ、友好関係を続けることを確認し合った。
両市は1990年7月に友好都市盟約を締結した。隔年での公式・市民訪問団の派遣・受け入れに始まり、毎年夏には宇治市の中学生を現地に派遣してホームステイなどで交流を図っているほか、カ市にあるトンプソン・リバーズ大学にも市民が留学。これまで派遣93回・1304人、受け入れ81回・699人の実績がある。
昨年が友好都市盟約30周年の節目で、カ市で盛大なお祝いを予定していたが、新型コロナウイルスの影響で訪問を中止。今年もコロナで中止を余儀なくされた。
2年間、直接的な交流が途絶えているほか、昨年12月に松村市長が就任したこともあり、お披露目を兼ねてオンライン会談を企画。1日午前9時30分(現地6月30日午後5時30分)から約30分間、言葉を交わした。
松村市長が「30年間、友好を築いており、大変うれしい限り。今年、子供たちと一緒に行けることを楽しみにしていたが、コロナで行けず大変残念」と述べると、クリスチャン市長も「私も大変残念に思っている。来年に受け入れることを楽しみにしている」とした。
カ市のあるカナダ西部は酷暑に見舞われている、との情報を踏まえ、松村市長は現地の状況を憂慮。クリスチャン市長は、スマートフォンに記録した気温45℃の画面を表示しつつ「熱中症で高齢者数人が亡くなった」と紹介した。
1日は『カナダデー』で、クリスチャン市長は「例年は1万人以上のイベントだが、今年はコロナで大きなイベントは中止。ワクチン接種率は75%に達しているが、ビデオで楽しんでもらう」と説明。松村市長は「宇治に来られた時に見てもらったイベント、祭りも中止している」と状況を報告した。
クリスチャン市長は「バスケットボールに興味があり、東京オリンピックに観客として行きたかったが、カナダからの出国は禁止されている」と残念がった。松村市長は「来年5月、ワールドマスターズゲームズが関西で開かれる。ぜひ宇治市に」と呼び掛けたところ、クリスチャン市長は「できれば行きたいが、来年は宇治市が来る番。中学生と一緒に訪問されることを楽しみにしている」と返答。松村市長は「来年、中学生と一緒に必ず伺いたい」と宣言し、クリスチャン市長は「30周年を一緒に楽しみ、お祝いしましょう。大学や新病院、ハイキングコースなどを紹介したい」と応じ、両市の友好関係が続くことを願って会談を終えた。