首長決戦へ現新同日会見/城陽市長選
(左)NEW城陽を強調する奥田氏、(右)初挑戦を表明する中野氏

城陽市長選(9月5日告示、12日投開票)に向け、自民・公明と国民民主3党に支援を要請する無所属の現職・奥田敏晴氏(76)=寺田北東西=と、共産なども参画する「みんなで変えよう、いのち・くらし・防災城陽の会」が支援する無所属新人の中野恭子氏(75)=寺田北山田=が10日、出馬会見を行った。奥田氏は「市民に質の高い豊かな暮らしをしていただくため、NEW城陽の実現を目指す」、中野氏は「大型開発より身近な生活道路を何とかしてほしい…というのが切なる市民の声」と、それぞれ告示まで1カ月を切った首長決戦への思いを伝え、勝利に向けて全力で挑む姿勢を示した。

まず、午前11時から市産業会館で開かれた奥田氏の出馬会見には、酒井常雄(国民民主)・園崎弘道(自民)両府議、増田貴市議(公明)、日本商工連盟城陽地区の堀井美郎代表世話人、古瀬善啓副代表世話人が横並びで列席。後方には、市議会与党の自民・公明と国民民主系の市民ネットの市議らが陣取り、奥田氏3選へ盤石の態勢を印象づけた。
出馬表明で奥田氏は、都市計画道路・塚本深谷線の開通や新市街地「サンフォルテ城陽」完成など、これまで2期8年の市政運営で積み上げてきた実績をアピール。「まちの賑わいと活力を生み出す『NEW城陽』のまちづくりは、この2期8年間でホップからステップの段階に入り、ようやく完成が見えてきた。進めてきた歩みをさらに加速し、大きくジャンプしなければならない」と、市政への情熱の一端を語った。
奥田氏は『スピーディ』『対話でつくる』まちづくりと『信頼される』市役所づくりの3つの基本姿勢を継続させる方針。自民、公明、国民民主以外への政党推薦依頼については、酒井府議が代弁し「今後は未定だが、支援をいただける政党があるならば幅広く要請したい」と立憲民主に限らず、共産を除く各政党にお願いする可能性がある…と言及した。

一方、中野氏を支援する「市民の会」から改組した個人参加主体の『みんなで変えよう、いのち・くらし・防災城陽の会』(岩佐英夫・岡本やすよ世話人)=略称・みんなの城陽=は同日午後4時30分から市福祉センターホールで、記者会見を行った。席上、中野氏は新名神開通に伴う大型開発より身近な生活道路整備や防災対策の強化に取り組む市政への転換を目指すことを表明した。
マイクを握った中野氏は「約50年前から城陽市に住んでいますが、当時と生活道路は全く同じ。歩道は斜めになっている所があり、歩きにくい。溝蓋もない所もあり、私の家の前は、自前で鉄板を置いた。今の市政は、新名神など大型道路やアウトレット、鴻ノ巣山運動公園(ロゴスランド)の宣伝ばかり。寺田イモやウメ、イチジク、お茶などの特産物のPRが弱い。新名神が通ってもどれだけ市民が利用しますか?。アウトレットができてもどれだけの市民が買い物に行きますか?。それより、身の回りのインフラ整備や、単に『東へ逃げろ』だけでなく、市西部の市民を水害から守る具体的な手立てを示すべき」と訴えた。
10日までに共産が中野氏の推薦を決定。今後は、個人参加中心の『みんなの城陽』への参画を広く呼び掛け、支援の輪を広げていくという。