来春開校、膨らむ期待/井手やまぶき支援学校「校名板披露式」
丸岡校長らが一斉に紐を引いて正門の校名板が鮮やかに姿を現した

来春開校を予定する府立井手やまぶき支援学校=井手町井手大塚=の「校名板披露式」が1日に行われ、校長をはじめ核となる教職員を任命。児童生徒約150人での開校を控え、府教委と地元の関係者、保護者代表らを招いて真新しい校舎をお披露目し、わが目を見張らんばかり―と感嘆の声が上がった。
2007年、特別支援教育が正式に実施されるようになり、府南部の山城地域でも様々なニーズが高まる中、宇治支援学校=宇治市広野町=が11年に開校。それに伴い南山城支援学校=精華町山田=の在籍者は一時減少したが、再び増加に転じた。
やがて井手町と府・府教委の3者が15年に協定を結び、求められた新たな支援学校の立地はようやく鮮明に。
府立12校目となる「井手やまぶき支援学校」は、京田辺市・木津川市(一部)・宇治田原町・井手町を通学区域とし、小学・中学・高等部の約200人(知的障害・肢体不自由)規模を想定している。
現在、245人が在籍する南山城支援学校の当該区域で暮らす児童生徒の編入が見込まれ、児童生徒約150人で船出を迎える。

地域交流に期待が高まるボルダリングルームを見る参加者たち

「地域と共に歩む学校」を開校コンセプトに、地域のすべての人と一体となって共生社会の実現や地域振興を担う―と、うたう。
関係者約30人が集まったこの日、府内産木材をふんだんに使用した校舎の玄関で式は始まり、はじめに府教委の橋本幸三教育長は「南山城支援学校の児童生徒が増加し、受け入れる新たな学校の設置が求められた。コロナ禍、地盤改良で工期変更もあったが無事に完了。児童生徒が合理的配慮を受けつつ得意分野を伸ばして社会参加につながるよう取り組んで。『みがく・むすぶ・きりひらく』の教育目標の追求は、生きる力となり、共生社会の担い手となるだろう」と期待を寄せた。
丸岡惠真(けいしん)校長は「環境は目まぐるしく変化する。社会に開かれ、地域と共に歩む教育活動を推し進めたい」と力を込めた。

タケノコを手にした「やまぶー」も愛嬌を振りまいた

この日付けで発令された教職員の紹介があり、正門前に場所を移した除幕式でピカピカの校名板を目の当たりにすると、スクールキャラクターの「やまぶー」も登場してにぎやかなムードに酔いしれた。
このあと、丸岡校長を先頭に、施設を案内。どの場所にも木の香と温もりが漂う4階建て校舎をはじめ、体育館や木工室なども見て回り、地域交流を進めるツールにもなる図書ラウンジ・ボルダリングルームなどの誂え(あつらえ)に鼓動を高鳴らせた。