現職・奥田敏晴氏、圧勝でV3/城陽市長選
多くの支援者らと「バンザイ三唱」で3選を喜び合う奥田敏晴氏(中央)

現・新「一騎打ち」となった城陽市長選は12日投開票が行われ、無所属の現職・奥田敏晴氏(76)=自民、公明、立憲、国民推薦=が圧勝で3選を飾った。無所属新人の中野恭子氏(75)=共産推薦=も健闘し、得票を7000台に乗せたが、その差は9200以上開いた。奥田氏は「コロナ禍で経験したことのない選挙戦だった」と振り返り、支援者らに深く感謝した。
寺田中大小の「だいや」建物内に構えた奥田事務所では勝利を確信した支援者たちが続々と顔を見せ、午後9時の開票開始の頃には約150人が足を運んだ。
司会の増田貴選対事務局次長が午後9時20分、「(本紙速報で)当確が出た」と告げた約5分後に奥田氏が到着。盛んな拍手が沸き、コロナ感染予防の『肘タッチ』で3選圧勝を喜び合った。
はじめに中野博美選対本部長が「ホップ・ステップ・ジャンプ。奥田氏は3期目に大きな成果を出す」と高らかに勝利宣言。古瀬善啓選対事務長の発声で万歳三唱に包まれた。
選対事務局次長の園崎弘道府議(自民)がダルマを手にすると奥田氏は力強く墨を入れ、大願成就をアピールした。後援会の小木曽扶美代さんや荒川英子さんらから花束を受け、奥田氏は満面の笑みを浮かべた。
挨拶に立った奥田氏は「非常にやりにくい選挙だった。現職の2、3選は強く、自信を持って戦えるはず…。本来なら市中に出て街宣すべきだが、月~金曜まで昼間は執務をしっかりやった。余りある応援部隊に頑張ってもらった。府や国と連携し近隣市町村と肩を組み発展に頑張ろうではありませんか」と声を強め、「三国志の諸葛孔明は、『最後に勝つ者が勝ちいくさ』と言った。きょう勝つことができた、このご恩を『倍返し』し、しっかりとまちづくりに頑張ります」とさらにトーンを高めた。
このあと、マイクを握った園崎府議は「2013年、谷間と言われた城陽だが、奥田さんが市長に就くと大きく変わった」、村井弘府議会副議長は「新名神の活力を取り込んで企業誘致を進め、流域治水、教育、福祉の向上を」、酒井常雄府議(国民民主党府連幹事長)は「城陽の可能性を最大限引き出して。全力でサポートする」、山井和則衆院議員(立憲)は「選挙戦を通して、NEW城陽、福祉先進都市の思いを伝えた。奥田市長を先頭に、城陽だけでなく、府南部発展の中心となる」とそれぞれ期待の言葉を述べた。

■得票率ほぼ前回並『7対3』/投票率は過去最低37・25%
城陽市長選の開票作業は12日午後9時、寺田南小体育館で行われ、投票箱が開けられて間もなく「奥田票」の多さが目立ち始め、「中野票」との差が鮮明となっていった。
投票率は過去最低『37・25%』と、前回より0・32ポイントダウン。約2万3000票の争奪戦となった。
本紙独自の開票速報でしばらく横並びの得票が続いたが、9時20分に「奥田1万・中野3500」と大きく開き、奥田氏に当確が出た。
その後、9時40分に「奥田1万6000、中野7000」となり残票整理に入り、そのままの数字で市選管が10時に中間速報。
そして10時15分に「奥田1万6300、中野7079」で結了した。
得票率は▽奥田氏=69・7%▽中野氏=30・3%。前回(17年▽奥田氏=71・7%▽岡本やすよ氏=28・3%)より、やや差は縮まったが、それでもほぼ『7対3』の比率で、奥田氏圧勝となった。
敗れた中野氏だが、前回の岡本票を約300アップさせ、一昨年春の府議選・共産公認候補の票(6541)を「500」以上積んだ。これは、現市政やコロナ対応への不満票であり、奥田市政3期目の課題とも言える。

2021 城陽市長選 開票結果