宇治市が無料通信アプリ『LINE(ライン)』を活用し、道路や公園などの損傷個所について市民等から情報を求める「街のれんらく」はサービス開始から3カ月が経過した。24時間の受付が〝売り〟で、情報提供のあった27件のうち、閉庁時間帯(夜間、休日)が半数。便利な機能だが、周知は3割程度にとどまっており、市はさらに使ってもらえるよう、対応を検討する。
道路の損傷個所、公園の遊具破損、ネコの轢死などの情報は、市役所において電話対応しているが、開庁時間帯(平日午前8時30分~午後5時15分)に限定。問題に気付いた市民が「明日、市役所に電話しよう」と思い、そのまま失念するケースもある。
8月26日、市は公式LINEに新機能「街のれんらく」を追加した。大きな特徴の一つは24時間、365日の受付。そして写真、位置情報が添付できるため、市職員による現地確認の迅速化・簡素化が図れる点で、市は「初動対応がとりやすい」と好感触を得ている。
運用開始から3カ月が経過し、先月末時点で27件の情報提供が寄せられた。内訳は道路の損傷等(維持課)が16件、公園遊具の破損等(公園緑地課)が6件、鳥獣の死骸(ごみ減量推進課)が5件。全体のうち、半数を超える14件(維持課9件、公園緑地課3件、ごみ減少推進課2件)が閉庁時間帯の連絡となっており、LINE導入効果が発揮された。
情報提供は簡単で、LINEのトーク画面から「街のれんらく」を選び、次に「道路など」、「公園遊具」、「鳥獣に死骸」の選択肢から該当項目を選び、あとは指示通りに写真を撮影・送信すれば、自動でグーグルマップが開き、問題のある場所を選定。情報は自動的に担当課に届き、市職員が開庁時間帯に対応する。
ただ、先月26日から今月1日にかけて実施した「市公式LINE満足度アンケート」で街のれんらく機能を「知っている」との回答は33・8%にとどまった。市公式LINEのトップページにありながら「知らない」が約3分の2を占めている状況。市は「結果を踏まえ、新機能の周知について考えたい」と話している。