平安時代の歌人で六歌仙の1人とされる小野小町ゆかりの「小町塚」=井手町井手東垣内=の清掃活動が22日、「井手町歴史愛好ロマン会」(小川榮太郎会長)により行われた。
小野小町は墓所とされる場所が全国各地にあるが、冷泉家記では同町にあった井堤寺(井手寺)で69年の生涯を閉じたとされている。塚は玉津岡神社の参道べりにあり、大きな石が積み重ねられている。「小野小町之墓」と彫られた墓碑もある。
この日集まった4人のメンバーは鎌で雑草を刈り取ったり、茂った枯れ木を切り落としたりして塚の敷地内をきれいにした後、墓碑に花と線香を手向けた。また鏡餅も供え、迎春の準備を整えた。
小川会長は、「全国の小町塚の中でも最も大きい。石は井手寺の礎石と思われる。墓碑は別として、石積みは800年代にできたのでは」と話し、「井手町には旧跡が多くある。若い人が心を寄せてくれるとうれしい。スマートフォンをかざすと解説が読めるといったアプリができないか」と、町の振興策に期待を込めた。