新たな世帯の流入が続く京田辺市南部の江津地区で9日夕に漆黒の闇が覆い始める頃合い、豊作を願う地域の伝統行事「おんごろどん」が行われた。
男子児童たちはワラを束ねた横槌(よこづち)を地面に叩きつけ、各家庭を巡った。
「おんごろ」とは、農作物の天敵となるモグラのことで、退治して豊作を祈願する新春の伝統行事。
今年は、江津から小学5・6年男児12人、宮ノ口区でも児童2人が参加した。
日が沈むころ集まった地元の児童たちは、長さ約80㌢ほどの横槌を手に、地域の家庭を訪問。
江津では全員で1軒目を参り「おんごろどんはうちにか(家にいるのか)、横槌どんのおんまい(お見舞い)じゃ」などと横槌を地面に力いっぱい叩きつけた。
その後、南北3班に分かれ、家々を回ること約200軒。
およそ2時間を掛け、新興住宅地の親子連れも興味ありげに雄姿に見入った。
約500年前から続く伝統行事で、「毎年、ありがとう」などと感謝の気持ちを伝える住民も多く、同地区では遅くまで横槌を打ちつける音が鳴り響いた。
初参加という三山木小学校5年生の清水泰希くんは「思ったより足腰がきつい。これから参加する下級生の見本になれるよう頑張りたい」と熱を込めた。
感染症対策も行い、役員指導のもと、当日朝のうちに親子らが力を合わせ作り上げた横槌は、翌日のとんどで炊き上げられた。