京田辺ハンドボール協会(市位尚也会長)主催の「投球講座」が、田辺中央体育館で開かれ、地元の小中学生20人がボールをうまく投げるコツや強いシュートを打つためのトレーニング方法を学んだ。
地方予選を勝ち抜いたチームが集まる全国小学生大会の舞台であり、子供たちもプレーを楽しみ、競技熱が高い京田辺市。
一方で、例に漏れず、少子化が進む中で、4年前に前身チームが合併してできたOKハンドボールクラブ(OKHBC)は、「大住」「草内」の2地域の頭文字を取って命名した2020年設立のチーム。
NPO法人京田辺市社会体育協会に所属するとともに、昨年に立ち上げた京田辺ハンドボール協会に属している。
先月29日、初企画となる講座には、OKHBCの現役と卒団した小中生20人と保護者らが参集。
コロナ禍で練習環境も変化する中、「投球」に特化したYouTubeチャンネルで子供の体に適した投球術も手ほどきする森洋人(ひろと)さん(もり鍼灸整骨院、MORIピッチングラボ代表)をゲストに迎え、実践を交えた指導を繰り広げた。
「パスが狙ったところに飛ばない」「シュートの時に力が伝わらない」など小中生プレイヤーが抱える様々な壁の原因をひも解き、上達するためのアドバイスを伝えた。
甲子園出場経験がある高校球児だった森さんは、昨年開催のハンドボール世界選手権日本代表選手の治療を行っている。
投球に特化したラボを17年に設立し、専門的な投球指導や解析に全国から依頼や注目が集まっているという。
講座のキーワードには「遠心力」「捻転差」「体幹」などを掲げ、子供たちはボールを長い袋に収めて口を結び、体をねじった反動を利用して遠くへ飛ばす練習も実践。
ペアになってパスを繰り返し、森さんの盛んな掛け声に体幹への意識を求め、投球の際の肘の高さ、体をねじらせ遠心力をよく効かせて球のスピードを増すトレーニングなどに集中した。
参加した藤田眞宗(まさむね)くん(大住小6年)は「遠心力を使って投げればスピードが速くなる」、梅田七誓(ななせ)くん(寺田南小6年)は「体をねじれば球が速くなった」と早速、投球のコツに触れた様子だった。
石田真由美監督は「体幹をしっかりと保ち投げればスピードも出る。日ごろトレーニングをやっているが、なかなか難しい。普段、いろんなスポーツやリズム体操も取り入れている。きょうもいい機会になった」と声を弾ませる。
昨年まで小学生だった息子も在籍し今も練習に足を運んでいる市位協会会長(市位整骨院・鍼灸院)=花住坂=は「小中高校と上がるごとにボールが大きくなる。小さい子は最初、力がないので、力づくで放りがち。適した体の使い方を身に付けるのが、ケガを防ぐことにつながる」と狙いを説く。
「学童スポーツではこれまで、強く投げろと言うだけで、その方法を伝えられないことが多かった。指導する側の力も高めたい」と強調する。