京阪宇治駅から徒歩4分のところに昨年8月21日に開園した「お茶と宇治のまち歴史公園」が、オープンから半年を迎える。宇治市まちづくり推進課によると、昨年末の時点で来園者は3万6000人。閑散期の冬を乗り越え、宇治の新たなランドマークとしての地位を確立するため、観光振興の取り組みが続く。
【別掲図】は、京阪宇治駅の1日の乗降客数の推移。「コロナ禍元年」の20年には4421人と、過去3年間の平均(約6000人)から25%以上減少している。
11月の平日データにつき休日の観光客は含んでおらず、19年に市の観光入込客数が過去最高を記録(約559万人)した内容は見て取れないが、三密の回避やリモートワークの普及など、コロナで変化した人々の行動パターンが明確に表れている。同社広報の話では、この傾向はほぼ全国的にみられるという。
昨夏の緊急事態宣言で開館が遅れ、10月1日にオープンした同公園の交流館「茶づな」は、12月までに2万4600人が来場。市内外の小中学生が館内で宇治茶文化を学ぶミュージアムを研修で訪れるなど、一定の実績を挙げた。
イベント、セミナーなどの需要が見込まれる茶づな2階の会議室についても利用状況は比較的順調で、今月後半から来月にかけて約40件の予約が入っているという。
この会議室で昨年11月27日、各地で手作り市を主宰する「コトマルシェ」が、アクセサリーや小物販売のマーケットを展開。約40店が出展し、多くの来場客で賑わった。なお、マーケットは今月6日にも開かれた。
昨年10月に茶づな一帯で開催予定だった「宇治茶まつり」消費イベントは、新型コロナの感染状況を考慮し中止(インターネット上での企画へ変更)したものの、11月21日に黄檗山萬福寺でプレミアム大茶会が開かれた際、同所がサテライト会場となった。山城地域の名産品を紹介するブースが並び、これまで宇治公園で行われていた恒例「宇治茶まつり」を思わせる雰囲気が小規模ながら実現した。
暖かな春が近づくにつれ、園内にあるエントランス広場(外部電源あり)、茶の祭典広場、にぎわい広場の3つの貸しスペース(詳しくは茶づなホームページを参照)の利用も増えると予想され、実際に「使えますか」と問い合わせが既に寄せられているという。
市の担当者は「有料になりますが、野外演奏会や野点など使い方は自由です。宇治市民以外の方でもOK」と話し、積極的な利用を呼び掛けている。問い合わせは同公園℡0774‐24‐2700(午前9時~午後5時)へ。FAX番号は0774‐24‐2711。