昨年12月、中小企業庁による「はばたく商店街30選」に選ばれた宇治橋通り商店街=宇治市宇治壱番=。16日、同商店街振興組合の佐脇至理事長が京都文教大学(平岡聡学長)=同市槇島町千足=を訪問し、その栄誉を報告した。
「はばたく商店街30選」は、中小企業庁が革新的なサービス開発などの観点から、活動実績が優れた商店街を選ぶもの。▽自治体・地域連携▽人材・担い手▽生産性向上▽観光(域外需要)の4分野があり、同商店街は「自治体・地域連携」部門で選定された。
同振興組合はこれまで、同大学のサテライトキャンパスの商店街への誘致(07年)や教員による住民参加型研究など、同大学と継続的に連携してきた。特に商店街の公認を受け、14年から活動する地域連携学生プロジェクト「商店街活性化隊しあわせ工房CanVas」の活躍は「学生の立場から商店街の魅力発信をするなど、活性化に大いに貢献している」と称賛を受けた。またコロナ禍の窮地から立ち直るべく誕生した「崖っぷち弁当」企画では、地域の連携強化をもたらすとともに商店街の魅力発信にもつながり、こういった活動が高く評価された。
この日、学長公室で行われた報告会で佐脇理事長は「商店街と京都文教大学とは私が理事長になる前から長年にわたって継続的に連携し、一緒に活動させてもらっている。全国的にも珍しい事例。崖っぷち弁当とともに、CanVasとの継続的な連携が評価された」と選定理由を述べた。
平岡学長は「この活動が他の市町村にも波及してほしい。商店街と学生がウィンウィンの関係が築けている。次のゴールへ向かって関係を継続していきたい」と今後を見据え、森正美副学長は「全国に約1万4000ある商店街の中から選ばれたことは本当に素晴らしい。いろいろなご縁がつながる素敵な場所」と祝福した。
「CanVas」の今年度代表・大隅由紀さん(総合社会学部3年)は「地元の商店街を元気にしたいという思いで活動している。私たちのやりたいことを実現してもらっている」と感謝し、同副代表・三品日向さん(同)は「今回の選定の力になれたことを励みに、今後も社会情勢に合わせて活動を継続していきたい」と、思いを伝えた。片山明久総合社会学部准教授は、アドバイザー教員としての立場から学生の継続的な努力を評価した。
その後の歓談では、これまでの活動の思い出話に花を咲かせ、佐脇さんを囲んでの記念撮影で報告会を締めくくった。