NHK大河ドラマ「鎌倉殿の13人」にちなむ「承久宇治川合戦」がテーマの講演が、宇治市生涯学習センターで開かれ、市民ら約80人が絵巻などに残された事柄に注目を寄せた。
源氏物語ミュージアム(家塚智子館長)連続講座の一環として、テーマは「『承久記』『承久記絵巻』にみる承久宇治川合戦」。
地元にゆかりある富山大学講師の長村祥知(ながむら・よしとも)さん(39)を講師に迎えた。
京都大学大学院修了の長村さんは京都文化博物館で学芸員を務め、昨年5月から富山大学に着任。
文博時代の2020年秋、「承久記絵巻」の再発見でマスコミをにぎわせた。
13日に開かれた講座では、はじめに大河ドラマの主人公で鎌倉幕府2代執権の北条義時を討て―と命じた後鳥羽上皇が破れ隠岐まで流された「承久の乱」(1221年)の経緯を振り返った。
幾つかに分類できるという「承久記」の活字本を紹介。
本によって「押松」と「狎(なれ)松」の相違があり、「承久軍(いくさ)物語」は「吾妻鏡」の版本にある記述を参考にし、取り入れたのでは―などと解説した。
承久記絵巻では、自身が80年ぶりに個人所蔵から見付け出した第6巻に触れ、4・5巻に登場する宇治川合戦の先陣争いの模様をひも解いた。
連続講座の講師は2回目となる長村さん。
4月29日(金・祝)に同市文化センター大ホールで行われる大河ドラマスペシャルトークイベントにも出演を予定。
第1部で家塚館長との対談がある。
長村さんは、ほかにも昨年6月発刊の同館編「光源氏に迫る・源氏物語の歴史と文化」(吉川弘文館)に論述を寄せている。