府立井手やまぶき支援学校(丸岡惠真校長)=井手町井手大塚=開校式が12日、同校の体育館で開かれた。府立南山城支援学校から移籍した小学部の児童、中学・高等部の生徒合わせて98人と、教職員104人、および来賓らが参列。新たな学び舎の始まりを祝った。
式典では国歌静聴に続き、橋本幸三・府教委教育長が「ここに京都府立井手やまぶき支援学校の開校を宣言します」と述べ、続けて式辞に立った。橋本教育長は府議・井手町議会議長ら来賓に謝意を示した後、「(同校は)〝地域と共に歩む学校〟をコンセプトに開校した。地域の皆さんと共に学び、歩んでいける環境整備が大切。そのために校舎入り口に図書ラウンジを設け、様々な人が自分の力に合わせて楽しめるボルダリングルームも用意した。教職員の皆さんには、関係機関と連携しながら、最新の学校設備やICT機器を活用し、充実した教育を実現していただけると大いに期待しています」と展望した。
続く校歌披露に当たり、作曲を担当したシンガーソングライター・つじあやのさんの動画メッセージが披露された。つじさんは丸岡校長が作った歌詞を「古里への思い、生徒の皆さんへの愛情が詰まっていて素敵だと思った」と話し、「声の高い人、低い人、年齢幅もあることを考えて、歌いやすくした。皆さんが楽しく歌えることを心掛けた」と思いを述べた。
校章の披露では、会場の前方で旗が広げられ、丸岡校長が込められた意味を説明。「井手町の町花である山吹をモチーフにした。山吹は春に黄色い花を咲かせ、万葉集に詠まれるなど古くから親しまれてきた。子供たちが健やかに成長し、多くの人々に愛される姿を重ねている。真ん中の雌しべを子供たちと見ると、雄しべ、花びらは、子供たちを包み込み育んでいるように見える。家庭、地域の皆さま、学校が、それです」と伝えた。
丸岡校長は続けて挨拶に立ち、児童・生徒らに向けて、「京都府産の木の温もりがあふれる校舎となった。図書ラウンジでは、生涯に渡って楽しめる本にたくさん出会ってください。自分を磨き、友達と結び、未来を切り開いてください」とエールを贈った。また、開校までの長い間、支援・協力を提供した人らに深い謝意を述べた。