城陽市市辺石原にある粟神社前の畑で28日、地元産ワイン製造を視野に入れたブドウ苗木の植樹が行われた。再来年の収穫に向け、苗の育成に取り掛かる。
この企画の中心は、2014年以来、地元のワイナリー(醸造所)建設に向けて取り組む「地域で100年続く産業を創造する会」で、地元でイタリア料理店を営む松本真さん(43)が代表を務める。
17~20年には、JR山城青谷駅付近に借り受けた畑で白ワインの原料となる「シャルドネ」種の栽培・収穫に成功。ローカルのテレビ番組でも取り上げられた。
昨年は多雨による不作で収穫を断念。加えて、土地契約の事情も重なり、場所を変更して再チャレンジすることに。同じ青谷地区に、これまでで最多の400本を植樹し、2年後の収穫を目指すという。
この日は、同会のメンバーや支援者、報道関係者ら約30人が参加し、シャルドネの苗木を植え付けた。今後、木が太く育った段階で、棚づくりなどを行っていく予定だ。
植樹のサポートを行ってきた、農場経営者の内田恵介さん(54)=三重県=は、高品質なブドウを育てるにあたり「土を汚染させないよう除草剤は使わないので、草引きなど手作業が多くなる。1年目は土台作り。雨に弱いので、しっかりした管理が必要」と話していた。
松本さんは「地域の友人や支援者の皆さんに来ていただいた。良い土地に巡り合えたので、ここから良いブドウを育てたい」と意気込んだ。