久御山町の佐古地区で今年も「麦秋」の季節を迎え、生産者らによる刈り取り作業が始まった。コンバインのエンジン音が周辺に響いている。
同地区では30年ほど前から休耕田を活用した麦栽培がスタート。10人でつくる農家組合の佐古麦生産組合が、久御山高校周辺の4・5㌶で共同栽培している。
4年前から、従来の「ニシノカオリ」に代わって、グルテンが強くパンなどへの加工適性が優れた小麦「せときらら」を栽培。昨年11月中旬に種をまき、生育状況と水分量を見極め、3日から収穫作業を始めた。
昨年は収穫前の5月中旬に異例の早さで梅雨入り。さらに大雨にも見舞われて、全体の半分ほどの麦が倒伏し、穂が黒ずむカビも発生。収量や品質に大打撃を受け、不作に終わった。
今年こそはと期待を寄せたが、今回は麦と同じぐらいの背丈の雑草がはびこった。場所によっては、黄金色の穂と先端が赤茶色の雑草が入り混じった様子がはっきりと確認できる。昨年のような病気にこそ罹らなかったが、生育に大きな影響を受けたようだ。
雑草の原因について神村善正組合長(68)は「昨年11月の播種後、雨が少なく乾燥したことで麦の生育が悪くなり、雑草に負けてしまったのでは…」と分析している。
収穫作業には3~4日ほど要するという。収量について神村組合長は「昨年並みか、少し良いくらいかな…」と予想し、品質については「5月初旬の雨の影響があるかもしれないが、倒伏がないので問題ないだろう」と見込んでいる。