宇治田原町の緑苑坂区(芳原晋一区長)は、感染防止の観点から2年間休止していた救命講習を12日、自治会館内で開き、班長ら12人が参加した。コロナ禍であっても、自然災害時であっても、いつ遭遇するか分からない救急現場を前にして尻込みをしないために、胸骨圧迫の仕方やAEDの取り扱い方法などを学んだ。
心肺蘇生の際、自動体外式除細動器(AED)を使うタイミングは、心臓が細かく震えている状態の時。その震えを電気ショックで除き、心臓を一旦止めてから胸骨圧迫を始めると、本来の動きを取り戻す。
この日は、まず京田辺市消防宇治田原分署員が救命手順を説明した。
倒れている人を発見したら、周囲の安全を確認し、大声で応援を呼ぶとともに119番通報。付近にAEDがないか声を掛け合って探してもらう。
呼吸が止まっていたり、しゃくりあげるような途切れ途切れの死戦期呼吸ならば、すぐさま胸骨圧迫。
AEDが届けば傷病者の横に置いてスイッチオン。音声ガイダンスに従い、2つのパッドを胸の左上と右下に貼れば、今どういう状態なのかを解析してくれる。
そして、必要ならば電気ショック。その後ただちに胸骨圧迫。電気ショックが効かない状態ならば胸骨圧迫を続けることになる。
「心臓マッサージ」とも言われる胸骨圧迫は、血液を循環させ、細胞に酸素を送るために重要で、酸素が欠乏すると3分以内に脳細胞の壊死が始まるという。だから1秒でも早く、正常に動かなくなった心臓を圧迫することで血液を動かし、酸素を送ることが大切になる。
胸の真ん中を目安に両手を合わせ、腕を真っすぐ、垂直に体重が加わるようにして、胸が5㌢程度沈み込むぐらいに圧迫。これを1分間に100~120回のペースで続ける。【写真】
参加者からは「1分間が2分以上に感じる」「こちらが倒れそうだ」という声も出たが、参加者は命の重みを感じながら、懸命にダミー人形と向き合った。