流下能力、最大3.6倍に/城陽・古川改修「完成」へ
川幅が広がった古川(㊧の歩道は未供用)

京都府は16日、2012年8月の府南部豪雨災害での床上浸水159戸、床下浸水387戸の被害を踏まえ、14年度から取り組んできた城陽市寺田地区での『古川床上浸水対策特別緊急事業』が河川部において概ね完了した、と発表した。
同事業は、近鉄京都線から国道24号までの延長900㍍の区間の川幅を約20㍍(改修前約8㍍)に拡幅し、橋梁8基を架け替えるもの。家屋移転37戸を含む、地権者43件の協力を得て、総額約62億円を投じて事業を進めてきた。
河道拡幅完成を受け、流下能力は今池川との合流地点より下流は毎秒90㌧(同25㌧)と3・6倍に、上流は毎秒30㌧(同15㌧)と2倍に、それぞれ向上。府南部豪雨災害と同程度の雨(時間雨量73・5㍉)が降っても床上浸水はなくなり、床下浸水は大幅に軽減されるという。
当初は19年度末の完成を目指していたが、古川沿いの府道内里城陽線の地下埋設物の関係で2年余りも遅れただけに、待望の完成となる。
一方、河川外では府道の張り出し歩道の整備工事を継続しており、府山城土木事務所は「児童・生徒の2学期が始まる前に完成させたい」と意欲的。長らく府道は片側交互通行など交通規制を敷いてきたが、10月ぐらいには解消されるという。
なお、事業全体は河川管理用通路整備などが残っているため、24年春頃まで続く。