宇治田原町の高齢者セミナー「ことぶき大学」開校式と、生涯学習を推進する「グリーンライフカレッジ」の開講式が16日、同町総合文化センターさざんかホールで開かれ、ことぶき大学に登録した地元の高齢者260人らの熱気に包まれた。
3年ぶりにこの日を迎えられた一方で、コロナ第7波の不吉な影は見え隠れ。
式で主催者挨拶に立った西谷信夫町長は「3年ぶり。今年度も多くの方に登録していただいて、学習意欲の高さに敬服。町は今年6月、新たに生涯学習推進計画を策定。仲間、生きがいづくり、毎日を豊かに生きる力にし、楽しく学んで。住みよい地域づくりに生かしてほしい」、ことぶき大学学長の奥村博已教育長は「健康であることを喜び合い、一人ひとりが生きがいを持ち、学び、触れ合い、楽しめることを、ともに喜びたい。新型コロナで2年間開催できなかった。ぜひ多くの参加を」と呼び掛けた。
来賓の浅田晃弘町議会副議長(議長代理)は「各種講座や体験活動で生き方を変える機会を得、地域活動に生かすのが面白さでもある。交流を深め、地域の輪を広げて」と祝辞を寄せた。
第2部では、生涯学習講演会を銘打ち、落語家・天台宗僧侶の露の団姫(まるこ)さんをゲストに迎え、落語1席と講演「一隅を照らす~自分の持ち場で一生懸命」が行われた。
高座のほかにも、テレビやラジオなど多方面で活躍。
2011年に天台宗で得度し、昨年は尼崎に道心寺を開山した。
団姫さんは「300年前の京都で始まった落語。仏教の教えをおもしろおかしくしたのが小咄(こばなし)」と説明し、「むこうにいたはんのはお坊さんとちがいますか?」「そう」などとホールの隅々まで通る美声で来場者を笑わせた。
日本人の死生観を含ませた仏教落語を披露。
スイミングを習い始めたおばあさん。なぜ?「三途の川を泳いで渡るために」―どっと笑い声が沸き、「落語家としてはプロなんですけれども、お坊さんとしてはアマなんです」「尼(崎)のアマさん」などと畳みかけ盛んな拍手が響いた。