城陽市平川の絵本作家・かわせえりか(本名・中尾えりか)さん(35)が初作品「くうちゃん」を出版。主人公の女の子「くうちゃん」とライオンにも見える友達のねこ「きゅうちゃん」が織りなす日常を描いた作品は、子供も大人もほっこりできる内容で、幼児への読み聞かせにぴったり。かわせさんは「一人でも多くの方に見ていただきたい」と、文パル内にある市立図書館と地域子育て支援センター「ひなたぼっこ」=旧深谷幼稚園跡=に、この絵本を寄贈した。
1986年、大阪で生まれ、父親の仕事の関係で東京、奈良で育ったというかわせさん。双子の姉が28歳の時、出産したことをきっかけに赤ちゃんの可愛さに魅了され、通信教育で保育士の資格を取得。保育に携わる中で「子供たちを引き付ける絵本の魅力」を改めて知った。自身も33歳で結婚、その後の妊娠を機に「自分の絵本を我が子に読んであげることができれば」と、一念発起して絵本作家を志したという。
そして妊娠中に、出版会社のコンテストに応募。残念ながら入選を逃すも、そのセンスに着目した別の会社から声がかかり、商業出版が実現することに。かわせさんは、ボールペンで下絵、色ペン(コピックチャオ)で着色するなどして女の子「くうちゃん」と、ねこの「きゅうちゃん」の日常の世界を描き、5月27日にA5判24ページの初絵本『くうちゃん』=モモンガプレス出版、みらいパブリッシング発行・価格1540円(税込み)=を世へ送り出した。
「一人でも多くの方に、絵本を見ていただきたい」と早速、文化パルク城陽内の市立図書館と地域子育て支援センター「ひなたぼっこ」にサイン入りの絵本を一冊ずつ寄贈。
希望者には、インスタグラム【QRコード別掲】やメールsayueri999@gmail.comを通じてオンライン販売しているほか、自ら久御山・高の原・京都駅前にあるイオンモールの書店に出向いて依頼し、絵本を店頭に置いてもらって販売中。
21日、城陽市役所内で、かわせさんは1歳2カ月になる長女・優里(ゆり)ちゃんと共に記者発表。「絵本は1歳から4歳児向けですが、小さい頃に大事にしていたものを思い出し、大人の方にもほっこりしていただければ」と、自身初の絵本を紹介した。
女の子「くうちゃん」とねこの「きゅうちゃん」は友達同士だが、実は「きゅうちゃん」は両親にプレゼントしてもらったぬいぐるみでした…というオチもあり、各ページに登場するねずみのキャラにも注目してほしいと話した。
初絵本は400部製本。次作について、かわせさんは「くうちゃんが大きくなっていく過程が見たい…というお声もいただいていますので、それに応えられれば」と、笑顔で述べた。