城陽市特産の朝採り、完熟イチジクの収穫が最盛期を迎え、生産農家が作業に追われている。京都中央市場で9割のシェアを誇る人気は今年も健在。ただ、実は日持ちしないため、地元のスーパーや直売所で購入するのがお勧め。だが、この時期は多くの店舗で完売続出。ここ数日、雨が降る日も多いが、残暑が厳しく、今月末から9月初めにかけて、さらにイチジクの甘みは増しそうだ。
市内では寺田、富野、枇杷庄、観音堂地域を中心に104戸の生産農家が合わせて約18㌶の畑で、イチジクを年間約400㌧生産。府内最大の産地をアピールすべく、市イメージキャラクター『じょうりんちゃん』のモチーフにもなっている。
地元農家らは、JA京都やましろ城陽イチジク部会(木村正樹部会長)を組織。都市近郊の立地条件を生かし、地元の強みを生かした営農を展開している。今の時期は、完熟した実を厳選して早朝5時前から畑に出て収穫作業を始め、暑くなるまでの午前8時ごろには実を採り終える。その後、倉庫内ですぐに新鮮な実をパック詰め、その日の昼頃にはスーパーや直売所の店頭に商品として並ぶ。
木村部会長(56)=枇杷庄=が所有するイチジク畑でも、赤みを帯びた完熟の実の収穫がお盆の時期に1回目のピークを迎え、これから第2弾の収穫期を迎える。
今年の府南部も早々に梅雨明けし、その後、適度に雨の降る日もあったが、総じて暑さ厳しい日が多かったため、イチジク栽培にとっては比較的、良い天候に恵まれた。
木村部会長の畑でも7月25日から収穫を開始。11月末まで休みなしで忙しい毎日を過ごしている。自身は枇杷庄地域に5カ所に約1・2㌶のイチジク畑を所有。1500本の木々を管理している。
「最高気温が35℃を超すと実の熟しも早くなり、畑全体を見て回らなければなりません」と、家族のほか地域の女性5~6人の助けを借りて日々、収穫作業に汗を流している。
出荷先は、城陽旬菜市やJAの農産物直売所、近隣のスーパー、京都中央・南部市場など。ここ近年は、東京・豊洲市場にも出荷を始め「関東でも城陽イチジクの知名度を高めていきたい」と意気込んでいる。