宇治市教育委員会の定例会が25日に開かれ、(仮称)西小倉地域小中一貫校整備事業に係る基本計画策定議案を全会一致で可決した。校舎配置は2案から『回廊型』を選択したほか、給食室は整備せず、小・中学生とも新たに整備するセンターからの配送に決定。来月に保護者説明会を開いた後、遅くとも10月までに基本設計を策定する。
■「回廊型」校舎を初採用
小中一貫校は西小倉・南小倉・北小倉3小学校、西小倉中学校を統合し、西小倉中の敷地に新設するもので、開校目標は2026年4月。小学生約650人、中学生約300人の合計950人程度を想定している。
校舎は4階建てで、配置案は『回廊型』、『従来型』の2つが示されていたが、これまでの議論を踏まえ、基本コンセプトをより実現できる回廊型を採用。市立小・中学校では初のケースで、新たに生まれる中庭を活用した異学年交流を進める。
普通教室は校舎の南側と東側に集めて採光を確保し、特別教室は北側と西側に配置する。中庭の一角(南東)には交流ホールを整備し、その上階(2~4階)にはメディアセンターを設け、図書室機能を中心に本やICT機器を使い分けながら多様な調べもの学習に対応できる空間として配置。2~4階の南東角には教師ステーションを設けて、休み時間に児童・生徒が教師とのコミュニケーションを深めるほか、コモンズ(交流スペース)として学年を超えた子供同士がつながりを育む場とするほか、メディアセンターと一体利用ができるよう開放的な空間とする。
基本コンセプトのテーマは『同学年から異学年、地域から世界へと広がる、探求力を高める学び舎』。中庭・交流エリアを中心とした計画とした。
賛否両論のあった小学校の給食は、中学校給食の開始にあたり(旧)宇治少年院跡地に新設する給食センターからの配送とする。給食が配送される小学校は、市街地では初めて。これにより小中一貫校には配膳室のみ整備する。
また、第1体育館は2~4階の吹き抜けで整備し、その1階部分には武道場や育成学級を整備。第2体育館は1~2階の吹き抜けで整備し、屋上に小学生用プールを設ける。
一方、グラウンドはメイン、サブの2カ所を整備し、これとは別にテニスコートを配置。それぞれの面積は今後の基本設計で明らかにする。