宇治田原町湯屋谷の「宗円交遊庵やんたん」で9日、「やんたんマルシェ」が開かれ、会場に設けられた体験ゾーン、ステージ、多彩なブース、ワークショップが、町内外から訪れた多くの来場者で賑わった。
「お茶の京都」の重要拠点である日本遺産のまち・湯屋谷の玄関口にオープンした同施設の5周年を記念するマルシェ。施設を運営する「1738やんたん里づくり会」の浅田豊士会長が「永谷宗園の偉業を称え、日本緑茶発祥の地を盛り上げたい。マルシェにふさわしい、内容の濃い出店を楽しんで」と挨拶し、幕が開いた。
体験ゾーンの「お茶の手もみ体験」では、本物の焙炉で煎茶の手もみを楽しむ親子の姿や、急須を使った「おいしいお茶の淹れ方体験」では来場者が、日本茶インストラクターの指導で、湯の温度など、淹れ方で様々に変わるお茶の味を確かめた。文化庁100年フードに認定された番茶でつくる即席お味噌汁「茶汁」の風味も楽しんだ。
飲食、雑貨販売、ワークショップの多彩なブースは賑わい、湯屋谷地区を周るクイズラリーも。
今回はステージイベントもあり、町のマスコット「茶ッピー」が子供たちの人気を集めていた。飛び入り歓迎のカラオケ大会では自慢ののどを披露。ギター・ボイトレ専門音楽教室を招いてのアコースティックライブやボイストレーニング体験も来場者を楽しませた。
期間限定で8日に運行を開始した宇治の名所と湯屋谷を直結する観光周遊バス「宇治やんたんライナー」のバス車両展示や、京都京阪バスのトミカも販売された。
会場はコロナ禍による自粛生活の鬱憤を晴らすかのように大勢の人の笑顔であふれた。
同町の地域おこし協力隊の高橋一樹さん(26)は「宇治田原の歴史や宇治田原で活動する人のことを知ってもらいたい。宇治田原を肌で感じてもらえれば」とアピールしていた。