宇治の秋を彩るイベントのひとつ、第25回「宇治田楽まつり」=同まつり実行委員会(中谷雅夫会長)主催=が15日午後、宇治川中洲の府立宇治公園(中の島)で行われた。3年ぶりに有観客での開催となり、詰めかけた多くの市民や観光客が舞台へ熱い視線を送った。
田楽は笛や太鼓などの楽器を打ち鳴らして躍(おど)る平安時代の民俗芸能。市民参加で新しいパフォーマンスとしてよみがえらせようと、1998年に宇治青年会議所の呼び掛けで始まった。
まつりは午後2時45分に田楽衆が観光センター裏の「よりみち公園」を出発し、橘橋を渡って宇治公園へと入場。「王舞」で天の神へと報告を行うと、大地の精霊を呼び込む訪い(おとない)の笛の音が響き渡った。
月の使者となった童が稲穂を持って舞う「惣躍り・序」、宇治川の水神が天へ昇る「龍舞」に続き、松村淳子市長、堀明人議長、矢野孝幸・青年会議所副理事長が歌詠み人となって、宇治の自然をたたえた。
「宇治茶礼賛」では、創作の茶摘みおどりを子供たちが披露。振り鈴やピンザサラを打ち鳴らす「田楽躍」では、次々と隊形を変えながら喜びと感謝を表現した。
中谷会長の挨拶の後「さんやれ」のパフォーマンスで大団円へ。莵道高校1年生の有志22人も加わり、歓喜の躍りを繰り広げた。