「命の水」の大切さを体感/城陽バケツリレー2022
中継地点で次の人に受け渡す

「命の水を運ぼう~城陽バケツリレー~2022」(同実行委員会=伊保弘一委員長=主催)が23日、城陽市民体育館前広場をメイン会場に行われた。世界各国の中には、たった一杯のバケツの水を、生きていくために遠く離れた水場から運ぶ子供たちがいる。今一度水の大切さを見直し、環境問題に取り組む機会にしよう―と開催されたもの。今年で21回目を数える。
水道の蛇口をひねると、良質な水がいつでも飲める―。日本で暮らしていれば、それが当たり前だが、全世界人口の6人に1人が、泥や砂が混じった濁った水で生活しており、その影響で毎日およそ4000人もの子供たちが5歳の誕生日を前に、尊い命を失っている。

挨拶する伊保実行委員長

発展途上国の子供たちは、井戸を掘ることで「水汲みに行く一日5時間が必要でなくなり、学校へ行く5時間ができた」と喜んでいる。
そんな世界の実情を地元の子供たちに知ってほしい…と始まった城陽バケツリレー。
この日、挨拶に立った伊保委員長は「アフリカの子供たちの水汲みを体験してほしい」と挨拶。開催宣言では、田川ゆずほさん(青谷小4年)、清水絢音さん(深谷小5年)、金藤結月さん(富野小4年)がマイクを握り、「今一度、水の大切さを見直す機会として、私たちはバケツリレーに参加します。一人ひとりが生かされている命、その命の源である水に感謝し、バケツというバトンで心と心をつなぎましょう」などとする宣言文を読み上げた。

開催宣言する3人

この後、参加者は3人一組となり、「にじのはし」を起点に約50メートルおきに5組がスタンバイ。起点で金色の瓶に水を注ぎ、1人が瓶を持って中継地点で次の人に渡し、合計約200メートルをリレー。最後の人は、体育館前の池に瓶の水を注いだ。これを3回繰り返し、参加者全員が瓶の水を注ぎ終えると、この日のために池に設営した大水車を回した。

最終ゴールで池に水を注いだ

瓶を次の人に手渡す場面では「重たいでしょ」などの声掛けが行われていた。
大水車のバックには、体育館の壁に「手から手へ、心から心へ…JOYOから世界へ!」と記された幅20メートルの金色の横断幕が飾られた。
そしてその下には、ウクライナの国旗も掲げられ、水車の脇に特設した噴水からは青と黄色の水が上がり、平和への思いが込められた。
伊保委員長は瓶を持って50メートルを歩いた参加者の姿を振り返り、「本当の水瓶を持ってリレーした。大変な国のことを分かってくれたのでは」と期待を胸にした。