跡地利用、来年度に方針/宇治市西小倉地域3小学校
ワークショップで西小倉の課題を話し合う委員ら

宇治市立の西小倉・南小倉・北小倉の3小学校、西小倉中学校を統廃合し、西小倉中の敷地に新設される小中一貫校(2026年4月開校予定)。3小学校の跡地利用を考える西小倉地域小中一貫校整備検討委員会・地域部会(岩井浩部会長)の第3回会合が19日夜、西小倉中で約7カ月ぶりに再開され、課題を出し合った。
この日は、委員10人が2グループに分かれ、西小倉地域の抱える課題についてワークショップ(WS)を実施。「子供がいない」、「高齢者(認知症)が多い」、「駅前が寂しすぎる」、「下着など日用品を買える場所がない」、「側溝に蓋がなく、道路に段差もある。ベビーカーや自転車が危ない」、「踏切で渋滞する」、「消防署の老朽化」、「避難所がなくなる」などの課題を確認した。
その上で「子供たちのために大きな公園や広場が欲しい。スケボーなどのスポーツができ、金管楽器などの音楽が楽しる場所を。特別養護老人ホームや地域の祭りで使ってもいい。それらが実現できる複合施設で若い人に集ってもらう」と、この日時点での意見とした。
事務局(市政策戦略課)によると、今後のWSで、3小学校跡地の利活用アイデアを、さらに考えた上で、実現可能性について議論してもらう。来年6月を目標に、検討内容を取りまとめてもらう方針。検討結果を参考に、来年度中に市の方針を決め、2024年度から基本計画策定に入る。

■配送車と子供 動線を分けて
地域部会終了後、同整備検討委の第4回会合が開かれ、小中一貫校整備事業にかかる基本設計について市教育委員会が説明した。
敷地北側住民に配慮して校舎棟を南側にセットバックしたため、メイングラウンドが約9200平方㍍と約600平方㍍縮小。給食の配膳室は校舎棟1階北側から東側に変更したため、配送車は北門ではなく、東門(正門)の利用に改める。
会合では、この日開いた第11回学校部会(部会長=渡邉和孝・西小倉小学校長)の内容も確認した。
配膳室の変更に伴い、配送車の動線が東門から昇降口の前を通ることになったことを踏まえ「危ない。もっと安全なルートを」と改善を要求。サブグラウンドの人工芝化、昇降口前に雨を遮るスペース設置などを求める声もあったという。
また、検討委では校舎棟北側の空地の活用について質問。市教委は「菜園を設けるとか、児童・生徒が活動する場所として考えている」と述べた。
このほか、メイングラウンド縮小に関して「クラブ活動ができるのか。なぜ南小倉小学校を第2グラウンドにしない」と確認。市教委は「運動部が毎日、目一杯の活動はできない。練習内容を工夫して安全に配慮して活動する。野球部やサッカー部の公式戦は難しいが、敷地外に別のグラウンド確保は考えていない」と理解を求めた。