植物から見る源氏物語の世界/宇治市民大学
府立植物園名誉園長の松谷茂さんが植物から見る源氏物語宇治十帖をひも解いた

市民の手による、市民と地域のための大学―「宇治市民大学」は17日、市生涯学習センターで開かれ、当日受付の約60人が源氏ワールドに思いを馳せた。
同大学運営スタッフ会(丸山嘉雄会長)主催で同センター共催。
1995(平成7)年に宇治生涯学習市民大学として産声を上げ、2003年からボランティアが市職員に交じり企画・運営を担うようになった。
1年を前・後期に分け、「宇治学」「歴史」などの各コースで講師・タイトルの回替わり講座が人気を集める。
宇治学コースのこの日は、松谷茂さん(府立大学客員教授・府立植物園名誉園長)が「宇治、ゆかりとえにし『源氏物語』宇治十帖に登場する植物を探る」の題で話しを進めた。
再来年のNHK大河ドラマ「光る君へ」主人公に決まった源氏物語原作者は紫式部。
関心を高めていこうという中、樹木学・植物園学を専門とする松谷さんは、源氏物語に多数現れる植物群を紹介し、「ひとりの女性が物語に多くの植物を搭乗させるのは画期的。多くの植物の名のみならず、色々な特徴もよく知っていたことに驚く」と述べた。
後編の宇治十帖に約50種の植物が登場するといい、紅葉(もみじ)や松、女郎花(おみなえし)などが回数も多く、新たな観点でストーリーの魅力をひも解いた。