城陽市、井手町と防災協定締結/京都山城・白坂テクノパーク

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1995年の阪神・淡路大震災から28年となった17日、城陽市と井手町にまたがる産業拠点「京都山城・白坂テクノパーク」進出企業で組織する連絡協議会(会長=北川俊明・㈱ピーマックス代表取締役)は府山城広域振興局=宇治市宇治若森=で、2市町と「災害時における支援等協力に関する協定」を締結した。企業単体と自治体との協定例は多々あるが、工業団地全体と地元市町が市民の安全・安心に向けた協定を結ぶのは全国でも稀なケースという。
国道307号青谷バイパス沿い、城陽市市辺地域と井手町多賀地域にまたがる「白坂テクノパーク」には、重機・ポンプ等を取り扱うリース会社やペット関連用品、酒類販売の国内トップ企業、運送会社、鮮魚加工会社、廃電線リサイクル、コンビニなど多種多様な15社が進出。すでに本格操業しており、約890人の雇用の場として府南部経済の新たな生産・流通拠点となっている。
これに今後、入会を検討する上方温泉「一休」京都本館や㈱サンフレム=ボイラー用バーナー、焼却炉等製造=を合わせた計17社で地域貢献を旗印に、城陽市・井手町との防災協定締結へ向けて協議を重ねてきた。
全体会議は昨年10月と11月の2回にわたり、城陽市消防庁舎会議室で開かれ、北川会長からの「災害は忘れた頃にやってくる。地域住民の支援に協力する体制づくりを行い、企業相互の連携も深めたい」と提案。会長の強いリーダーシップのもと、全社が前向きに議論を行ってきた。
その結果、災害復旧に役立つ「重機」、車中泊ができる「駐車スペース」、支援物資の「搬送協力」など事業所個々ができる災害時貢献活動をまとめ、24時間・365日の連絡ができる体制も整えた。さらに、城陽市と井手町との協定内容の細部協議を経て、京都府関係者の立ち会いのもと『1・17』の阪神・淡路大震災発災日に合わせて協定を締結する運びとなった。

■避難場所、重機など提供/「連絡・初動」訓練も
府山城広域振興局「大会議室」で開かれた協定締結式には、京都山城・白坂テクノパーク」連絡協議会の北川会長、草柳紀雄・杉山貴富副会長、古瀬善啓監査、城陽市から奥田敏晴市長、河合寿彦危機管理監、井手町から汐見明男町長、脇本和弘理事らが出席。連絡協の会員企業関係者や地元選出の谷村浩志・城陽市議(自民)も同席した。
式では、稲垣勝彦局長の立ち会いのもと、北川会長・奥田市長・汐見町長があらかじめ押印を済ませた協定書を確認。報道関係者の写真撮影に応じた。
挨拶に立った北川会長は「地域住民の方々が安心して住んでいただけるようまちに貢献したい」と意欲を示した。
続いて、汐見町長は「避難所開設時、すぐに白坂テクノパーク連絡協議会から支援物資の提供がいただけることがまず一番。(本町域は)木津川決壊時、国道24号や府道上狛城陽線が使えず、高台にある白坂テクノからのスムーズな支援は大きな効果が期待できる」と挨拶。奥田市長も「城陽市は西に低く、東に高い地形。19㌶もの広さを誇る白坂テクノがある地は将来、交通の要衝となる。(災害時に)連絡協のお力を借りられることは心強い。ともに前進、発展していこうではありませんか」と協定締結を喜んだ。
稲垣局長も、昨年夏の京都市や亀岡市等の豪雨、府内で頻発する地震を憂慮し「(府民が)迅速に安全な場所に避難できることが重要」との認識を示し「府も防災、減災対策にソフト、ハード両面で取り組んでいく」と決意を伝えた。
そのあと、しばし懇談の場が設けられ、城陽市や井手町から支援要請があった場合、まず同連絡協の事務局に電話が入り、その内容に応じて各事業所(3人ずつ電話番号を登録)へ連絡し、支援を行う…というマニュアルが説明された。
当然、災害はいつ何時、襲って来るか分からず、連絡体制は「24時間365日」維持。主に提供できる支援内容は「事業所の駐車場や空地を車中避難場所として提供」「ブルドーザーやクレーン車等の重機、水中ポンプ・大型テント・仮設トイレ・発電機の提供。ペットフード・ペット用品をはじめ生活用品の提供。敷地内の井戸水を生活用水として提供。支援物資の輸送、土のう作りに必要な砂利の提供や入浴サービスなど。
さらに、消防車両をはじめとする公用車の退避場所としても事業所の敷地を活用する。
白坂テクノパーク連絡協議会と2市町は、災害発生を想定した「連絡・初動体制」など実践的な訓練も計画するという。

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