宇治市白川の京都府農林センター茶業研究所(神田真帆所長)は28日、宇治茶の一番茶萌芽(ほうが)宣言を行った。例年よりも3月の気温が高かったため、平年の宣言日(4月4日)より7日早い発表となった。
萌芽宣言は、茶農家に対し、覆いや肥料のタイミングを計る材料としてもらい、霜害への注意や対策準備のため毎年行っている。
同研究所で観測された平均気温は、1月は平年比マイナス0・22℃、2月は同マイナス0・04℃となり平年並みだったものの、3月はプラス2・1℃と高く推移した(20日までの値の比較)。降水量は平年比で少なかった。
「平年」は、現在の仕組みで気象状況を測り始めた1994年から2022年までの29年間の平均。今回の宣言は、94年以降、最も早いものとなった。同研究所が「萌芽宣言」を出し始めた1973年以降で見ても、最も早いという。
同研究所は「特に移動性高気圧に覆われる日は、夜間の冷え込みが厳しくなり晩霜に見舞われる危険性が高くなる。霜注意報や予想最低気温に注意し、防霜対策の徹底を」と呼び掛けた。