「高品質の実揃った」/城陽・梅酒仕込み作業最盛期

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1895(明治28)年創業、地元産の原料と無添加にこだわり続ける南山城地方唯一の造り酒屋・城陽酒造㈱(島本稔大代表取締役)=同市奈島久保野=で、青谷梅林で収穫されたばかりの大梅『城州白』を使用した梅酒の仕込み作業が最盛期を迎えている。酒蔵内では、ネット満杯のウメの実をクレーンで吊り上げ、大型タンクに入れるダイナミックな作業が展開中。これら梅酒はじっくりと最低3年間は熟成され、ビン詰めして『城州』ブランドで消費者のもとに届けられる。
城陽酒造では、府内産の酒米にこだわった清酒に加え、1991年6月に故・今道仙次元市長から「城陽の特産品を作ってほしい」との要請を受け、国税庁からリキュール免許を取得した。
女性でも飲みやすいことから10数年前には、梅酒の大ブームが到来。先代社長の故・島本安会長の英断で「青谷梅林の城州白の実はすべて、我が社で引き受けます」と、地元農家に呼び掛けた時期もあった。
最盛期の2008、09年には、城州白の実を年間40㌧以上買い取っていたが、コロナの影響もあって、最低3年熟成を厳守する梅酒の貯蔵タンクに一定量確保。コロナ禍もやや落ち着きを見せ始め、今後は家庭や店舗での需要増が期待されるが、今年は平年ベース10㌧の城州白を仕入れ、地元農家に完熟出荷をお願いしているという。

丁寧にウメの実を洗浄する城陽酒造の社員ら

今シーズンはウメの花が早く咲き、梅雨入りも早くしっかりとした雨量もあり「ウメの実が育つ環境が整った」(島本社長)といい、大粒の高品質の実が揃った。
同社では、今月22日から仕込み作業をスタートさせ、7・5㌔㍑入りの大型タンクにホワイトリカーと液糖を入れ、酸化しないポリプロピレン製のネットに入れたウメの実400㌔ずつを、クレーンで豪快に投入する漬け込み作業を行っている。
原酒ベースで1升瓶換算約1万1000本の梅酒を製造予定。プレミアム原酒『城州』=アルコール度数20度と、飲みやすい『城州』=同12度と、『抹茶梅酒』として市販される。今の時期、お中元の好適品として人気を集めそうだ。
梅酒の仕込み作業は、7月4日に終了予定。ウメがタンクの底に沈み、エキスが抽出し切る来年4~5月ごろ、実を取り除き、梅酒を貯蔵タンクに移す。
なお、このところ「梅ジュース」「梅サイダー」も人気で子供でもおいしく味わえる。問い合わせは同社℡0774‐52‐0003まで。

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