宇治の秋のメインイベントとして親しまれている「宇治田楽まつり」=同まつり実行委員会(中谷雅夫会長)主催=が14日夜、市文化センター大ホールで開かれた。平安装束に身を包んだ出演者たちが、多彩な舞を披露した。
田楽(でんがく)は笛・太鼓・ビンザサラなどの楽器を打ち鳴らして躍(おど)る民俗芸能。宇治で復活してから26年目になる。今回は、あいにくの空模様のため宇治公園での開催と宇治橋通りなどの行進は中止とし、文化センターに会場を移した。
実行委の名誉会長を務める松村淳子市長と中谷会長が開会の挨拶。莵道高校1年生有志による「惣躍り」がオープニングを飾った。祭り囃子の音と共に、ホール後方から市民公募の参加者と実行委のメンバーが入場。山仲修矢・宇治商工会議所会頭と中村藤吉・市観光協会会長が「火入れの儀」を執り行った。
宇治川の水神が天へ昇る「龍舞」が終わると、松村市長、松峯茂・市議会議長、村田翔一・宇治青年会議所理事長が言祝(ことほがい)で宇治の自然を讃える歌を詠んだ。「宇治茶礼賛」では、子供たちの愛らしい茶摘み踊りが会場を楽しませた。
「田楽躍(でんがくやく)」では、振り鈴、ピンザサラ、腰鼓を打ち鳴らし、ダイナミックに隊形を変えながら喜びと感謝を表現した。躍動感あふれる旋律に盛んに拍手が送られ、大団円「さんやれ(幸有れ)」で締めくくった。