城陽市の今池子ども食堂「ゴリゴリ」(岡田実代表)を中心に立ち上げを模索する(仮称)城陽ライドシェアー協議会による電気自動車の試乗会が、市北西部の古川校区周辺で行われている。近くのスーパーに買い物に、病院に…など日常生活はもちろん、木津川堤防を散策したいとの要望にも応じ、総じて試乗した高齢者に好評。新交通手段としての期待が高まりつつある。
鉄道駅から比較的遠い市北西部(古川校区)に住む高齢者の足の確保のほか、JR長池駅から新しいまちづくりが進む東部丘陵地への新交通システムが課題として浮き彫りとなっている。
そこで昨年3月、今池子ども食堂「ゴリゴリ」の岡田代表(76)らが静岡県浜松市のヤマハ本社から公道仕様の7人乗り電気自動車を迎え、府立木津川運動公園前からJR長池駅ロータリーを往復するコースで、市民向け体験試乗会を実施。地球環境にやさしいエコカーの乗り心地をファミリー層に体験してもらった経過がある。
そして今秋、岡田代表がついに「7人乗り電気自動車」を約600万円で購入。先月28日に北部コミセンを拠点に、お年寄りのおでかけ手段「講演会・展示会」と題したお披露目の場を設け、岡田代表が電気自動車の歴史と現状、車両説明、体験試乗を行った。
来場者18人が協力したアンケートでは、高齢層を主に「乗りやすい」、「ゆっくり(時速20㌔以下)が気持ち良い」と高評価の声が上がり、乗車料金についても8割が「200円」と回答するなど実用化に期待が高まった。
そして、29日には、久世南垣内・特養ホーム「ひだまり平川」、久世八丁の3カ所で電気自動車の試乗会を実施。
ひだまり平川では、施設利用者らが乗り心地を実感し、城陽福祉会の石田實理事長も「自立した生活を送っておられるケアハウスの利用者の交通手段に」と後押しする声を寄せた。
取り組みに賛同する澤田扶美子市議も試乗会をサポート。京都府の地域交響プロジェクト交付金事業を活用した取り組みだけに、来年度以降の本格運行は現在、模索段階。だが、岡田代表は「運転免許を持つ大学生に協力を求め、定期運行することを検討したい」と話し、実用化へ向けて一歩ずつ着実に前進させることを伝えた。