交通安全、正しい110番を啓発/「一日警察署長」オリックス・平野投手
平野一日警察署長が啓発ビラを配布

10日は「110番の日」。宇治市、久御山町を管轄する府警宇治署(酒井啓之署長)は7日、プロ野球オリックス・バファローズの守護神で、名球会投手の平野佳寿選手を「一日警察署長」に招いた啓発イベントを開いた。昨年、宇治署管内で5件も発生した死亡事故「ゼロ」に向けて啓発。万一の時の迅速な110番通報についても呼び掛けた。
平野投手は宇治市出身で、少年野球チーム「小倉リトルズ」で野球を始めた。北宇治中学校、府立鳥羽高校、京都産業大学を経てプロ入り。落差のあるフォークボールを武器にメジャーリーグでも活躍し、昨年はクローザーとしてバファローズのパ・リーグ3連覇に貢献するとともに、日米通算250セーブを達成して名球会に入った。
JR宇治駅前の「ゆめりあ・うじ」で開かれた『110番の日啓発イベント』で、酒井署長が平野投手に一日警察署長の委嘱状を交付。平野投手にちなんで「地域の交通安全 みんなで抑えて 事故完封~有事にはストレートに110番通報を~」とのスローガンを設定した。
酒井署長は「110番の正しい利用を促進し、有事の際は平野投手の投げる豪速球のように素早く正確に勇気を持って通報してほしい。昨年、管内で5件の死亡事故が発生しており、守護神の力を借りて交通安全と交通事故防止の意識の高揚を図りたい」と挨拶。松村淳子市長、信貴康孝町長も交通事故防止を呼び掛けた。
府内の昨年の一日平均の110番受理件数は718件あったが、緊急性のない通報も見られ、事件・事故といった緊急以外は相談ダイヤル「#9110」の利用を促している。110番通報時は「何があったか」、「それはいつか」、「それはどこか」などを慌てず、落ち着いて話すことを紹介。平野一日警察署長、北宇治中の生徒が模擬110番通報を行い、オペレーター役と会話した。

平野投手のファンが大勢詰めかけたトークショー

ゆめりあ前の広場ではトークショーも行われ、平野一日警察署長は「ただ野球好きの少年だった。エリートでもなんでもなかった。僕のような地味な選手でも、コツコツやっていけば名球会に入れた。両親をはじめ、色々な方に感謝したい。少年少女の皆さん、夢をもって、何でもやり続けることが大事」とエールを送った。
また、平野一日警察署長は「昨年、宇治署管内の事故では自転車、歩行者関連の事故が多く、特に夕暮れや夜間の事故が多い」と紹介。その上で自転車に乗る時のヘルメット着用、横断歩道は歩行者優先、早めのライト点灯、飲酒運転の禁止、事故を起こせば即110番通報の5点を呼び掛けた。

宇治橋通り商店街を啓発パレードする関係者ら

宇治橋通り商店街に移動後、宇治交通安全協会、宇治・久御山地域交通安全活動推進委員協議会、小倉リトルズの選手らが、北宇治中などの吹奏楽部の演奏に先導されて啓発パレードを実施した。平野一日警察署長はオープンカーに乗り、手を振って啓発。名球会投手の登場に500人以上が集まり、一日警察署長としての仕事を終えた。

オープンカーから手を振る平野一日警察署長

本紙に対し、平野投手は「日頃から一旦停止には特に気を使い、スピードを出さない運転を心がけている。僕が一日署長をしたことで、少しでも交通事故防止に向けたことに興味を持ってもられたら嬉しい」と話した。